2018年3月15日木曜日

自分を信じる。自分を規制する。両方できるのが「強いゴルファー」です

日本ゴルフ界のレジェンド・倉本昌弘は自分を信じて自分を規制できるゴルファーが強くなるための近道だと語る。著書「本番に強くなるゴルフ」から、本番に強いゴルファーになるためのヒントをご紹介しよう。

自分を信じて自分を規制する
技術を磨くことは大切です。しかし、技術にこだわりすぎると、練習場ではいい球が打てても本番になると上手くいきません。だから、常に「心」を意識して練習することが大事なのです。ところが、こういう話をすると、「それは上級者の考え方であって、自分はスウィングが悪くて球が曲がるんだから、スウィングを直すことが第一なんだ」と言う人がいます。

確かに、球が曲がるからそうならないスウィングを身につけたいと考えるのは当然で、そういう練習も必要です。でも、ミスショットばかりが出る人だって、いいショットも出るはずです。その回数を増やすためには、ものの考え方でやらないといけません。

要は、練習の目的をスウィング作りだけに絞って「心」の問題をゼロにしてしまうと、一見美しく見えるスウィングが身についたとしても、そのスウィングを本番で生かすことができなくなってしまうのです。

本番では否応なく「心」が出てきて邪魔をします。だから、その対応策を持っていないと、技術を磨いたからといってナイスショットの回数が増えるとは限らない。技術を生かす練習をしておかないと、技術を磨く練習がムダになってしまうのです。そして、強いといわれる人ほど本番で実力を発揮できる能力が高いし、そのための練習もしているのです。

こういうことはプロレベルでも同じことが言えます。ゴルフが上手いけど強くない人というのは、「ゴルフ頭」がよくない。それは一般的な頭がいいとか悪いという意味ではありません。練習方法やマネジメントはもちろんですが、自分を信じることと同時に自分を規制することに頭を使っていない気がします。

常に基本に立ち返る。「心」を意識して練習する。「心」がなるべく出てこない技術を選び、ルーティンを大事にする。自分を信じて「心」が出てきてもやるべきスウィングをやりきる。そして、本番では自分のできることだけをやる。強いと言われない人は、そういうことができていません。言葉にすると、当たり前に聞こえるけど、強いゴルファーになるためには、それが一番大事で、逆に言うとそれしかないのです。

たとえば、片山晋呉は強い。ポテンシャルだけ考えれば、もっとすごい選手はたくさんいるのに、そういうプレーヤーが束になっても彼には敵わない。では、彼がいつも何をやっているのかというと、片手打ちだとか、逆(左)打ちだとか、ヒモを張ったパッティングの練習だとか、そういう非常にベーシックなものを何年もずっと続けているわけです。大リーグのイチロー選手が記録を達成したときに、「小さなことを重ねていくことが、とんでもないところへ行くただひとつの道だ」と言っていたそうですが、片山プロを見ていると「小さなこと」を続けていく大切さを改めて感じます。

そして、彼の場合、試合になったら自分ができることしかやらない。リスクの高いショットなんて絶対に選ばない。彼のそういう練習方法やマネジメント、つまり、自分を信じて自分を規制する考え方ややり方の中に強さのヒントがあると、私は思います。

「本番に強くなるゴルフ」(ゴルフダイジェスト新書)より

タイガー・ウッズの立ち止まる勇気。 「パーを拾い続ける積み重ねが大事」

「初めてみる笑顔だな」
 この写真を撮ったのはタイガー・ウッズの復帰2戦目となったジェネシス・オープン、2日目の最終ホールだった。
 米カリフォルニア州ロサンゼルス郊外にある名門リビエラCCの18番グリーン上。ウッズは残念ながら予選落ちとなったが、キャップを取り、大観衆に笑顔で応えた。
 その瞬間、ウッズの穏やかな笑顔が意味するたくさんの事柄が私の頭の中を駆け巡った。そして、彼のその笑顔を大勢の人々に見てもらいたいという一心で、私は夢中でシャッターを切った。

予選落ちして笑顔を見せるのは「初」?

 言うなれば、ジェネシス・オープンのウッズは「初」づくしだった。
 3週前のファーマーズ・インシュアランス・オープンで1年ぶりに米ツアーに復帰し、2015年以来「初」の予選通過を果たしたばかりのウッズ。
 今週のジェネシス・オープンとその舞台リビエラは、1992年に16歳だったウッズがアマチュアとして米ツアーに初出場した思い出の場所で、思い出の大会。だが、一度も勝利が挙げられなかったウッズはいつしかリビエラから遠ざかり、今年は2006年以来「初」の出場となった。
 さらに、次週のザ・ホンダクラシック出場も発表された。故障、手術、リハビリ続きだったウッズが2週連続で出場するのは、これまた2015年以来「初」のことになる。
 そのエントリーが発表され、「タイガーが来週も出るぞ」とジェネシス・オープンのメディアセンターがにわかに騒々しくなったちょうどそのころ、ウッズはリビエラで第2ラウンドをプレーしていたが、すでに彼の予選通過は絶望的だった。
 初日は5バーディー、4ボギー、1ダブルボギーと出入りの激しいゴルフながら1オーバー、72と踏ん張った。「愚かなボギーさえ減らせれば、リーダーボードを上がっていける」と予選通過に自信さえ覗かせていた。
 だが、2日目はティショットが左右に曲がり、アイアンショットは文字通りグリーンの前後左右に外れ続けた。「愚かなボギー」はむしろ増え、3バーディー、8ボギーの76。通算6オーバーはカットラインに4打も及ばず、予選落ちとなった。
 2日間でフェアウェイキープできたのは、28ホール中13回。グリーンを捉えたのは36ホール中16回。どちらも50%にも満たない内容だったが、ウッズが最後に見せたのは満たされた表情だった。
 予選落ちしても、穏やかな笑顔。そういうウッズの笑顔を見たのは、考えてみれば「初」だった。

立ち止まることが苦手だったウッズ。

 42歳という年齢になり、「人間が丸くなった」と人々は言う。それは確かにあるのだろう。でも、それだけではないはずだ。
 かつてのウッズは、立ち止まることが苦手だった。膝の悪化、腰の悪化を感じ、手術や治療の必要性を感じても、ゴルフ界の王者は常に走り続けたい、走り続けなければいけないと考えていた。
 戦線離脱の期間を最短に抑え、1日でも早く復帰するために、リスクの少ない小規模な治療や手術にとどめ、1分1秒を惜しむかのように闘いの場へ舞い戻った。
 焦っていた? 生き急いでいた? その積み重ね、そのツケが回って抜本的な治療の必要性に迫られた。
 それが昨春に受けた4度目の腰の手術。リハビリに時間を要したが、リスクがあった分、回復度も高く、それが復帰戦となったファーマーズ・インシュアランス・オープンでの予選通過につながった。
 そして今週は、自身が率いる財団(タイガー・ウッズ財団からTGR財団へ改名)がサポートするジェネシス・オープンに大会ホストとして出場し、来週は大陸を横断して2週連続で出場する。

「何年も僕にはできなかったこと」

 そんな日程が組めることは、走り続けてきたウッズが初めて立ち止まった決断が正しかったことの証。着実にネクストステップを踏んでいることの証だ。
「不満なこともあるけど、こうして試合に戻ってくることができて、ラウンド後は毎日、練習もできている。それは、ここ何年も僕にはできなかったこと。そう、大事なのは積み重ね。これからも積み重ね続けていきたい」
 なるほど。36ホール目で見せたあの笑顔は「積み重ねている」という実感の表れ。そう思って眺めていたからこそ、眺めていた大観衆もみな笑顔になったのだろう。

優勝争いだけがゴルフじゃないのだ。

 人生も、ゴルフも、復活のストーリーも、よくよく眺めれば、たくさんの小さなコマが連なって、その集大成が1つのドラマになる。
「みんなが忘れてしまいがちなことがある。サンデーアフタヌーンで起こることがすべてだと思われがちだけど、そうではない。大事なのは積み重ね。パーを拾い続ける積み重ねだ。僕はその積み重ねを、長い間、やってきている」
 サンデーアフタヌーンならぬフライデーの夕暮れどき。最後にそう言って、ウッズは再び笑顔を見せた。
 予選落ちしても、穏やかな笑顔――。それは、かつてのウッズなら見せるはずもなかったものだが、初めて見たウッズのその笑顔は、一歩一歩、踏みしめながら生きることの素晴らしさを表現しているようで、なんとも心地いい笑顔だった。
舩越園子



ゴルフ上達の分かれ道。「ブロック練習」と「ランダム練習」上手くなるのはどっち?

練習にはふたつのやり方がある。ひとつは、同じことをやり続ける「ブロック練習」。もうひとつは、様々なやり方を組み合わせる「ランダム練習」だ。かつてゴルフはダンプカー1杯分のボールを打たないと上手くなれない、などと言われたが……効率よく上手くなるためには、ブロック練習とランダム練習、どちらがいいのだろうか?
「9番アイアンの練習だけを1年続けた結果シングルになった人の話も聞いたことがあります。とくにビギナーにとって、普段の生活で似た動作のないゴルフスウィングを習得するためのブロック練習は非常に重要です」

そう語るのはプロコーチの堀尾研仁。地面に置かれたボールを、道具を使って体の90度左側に飛ばすゴルフは、他に似たものが少ない特異なスポーツ。その動きを体に馴染ませるために、ゴルフを始めたばかりの頃はひとつの番手の反復練習が効果的だ。とはいえ、100を切るレベルになっても、漫然と固め打ちをするのは危険だともいう。

「ブロック練習には、基本を作る、不安定要素を減らすというメリットもある一方で、いわゆる“下手を固める”ことにつながる危険性もあるのです。そうなると、ビギナー時に有効だったブロック練習が、かえってマイナスに作用し、その先の上達を阻害してしまいます」(堀尾)

100を切るレベルになったら、人にはよるがゴルフ場にもそれなりの数だけ足を運んでいるはず。そうなったら、練習場でもコースでのショットを想定したショットを練習すべきだと堀尾コーチは言う。

「コースに出ると、練習場のようにのびのびフルショットできる場面は以外と少なく、距離や方向をコントロールしながらのショットが増えますよね。そういった状況を想定し、1球ごとにターゲットを決め、クラブを変え、打つ距離も変えてランダム練習することで、ボールをターゲットに運ぶためのスウィングを身につけることができるんです」(堀尾)

堀尾コーチによれば、ブロック練習は「形を作る」、ランダム練習は「目標に球を運ぶ」という根本的なテーマの違いがある。つまり、実戦力を高めるのにブロック練習は有効ではなく、ひとつの動きの型を習得したり、動きを矯正するのにランダム練習はふさわしくないということにもなる。

ところで100を切ったゴルファーがやりがちなのが、さらなるレベルアップを目指してのアプローチのブロック練習。「今日はアプローチを重点的に練習するぞ!」と心に決めて、練習の半分をサンドウェッジで30ヤードを打つのに費やした、なんていう意識の高いゴルファーは少なくないはずだが、堀尾コーチは「これも、できればランダム練習にしてもらいたい」という。アプローチこそ、様々な番手、様々な高さをコントロールすることで、引き出しを増やすことができるからだ。

では、100を切ったらもうブロック練習は必要ないのかといえば、そう単純な話でもない。

「たとえば、スマホで動画を撮ったりして、自分のスウィングを客観的に見て、修正すべき箇所が見つかったとします。それを修正するために、意識して行うブロック練習には価値がありますし効果も期待できます。ランダム練習とブロック練習、どちらだけでいいということはないので、今の自分の状態を見極めて、必要な練習を行うのが大切ですよ」(堀尾)

春までに、スウィングの課題をブロック練習で克服するか、ベストシーズンのゴルフ場を想定し、ラウンドシミュレーションを兼ねたラウンド練習で実戦力を高めるか……是非、今の自分のゴルフと相談して、練習メニューを決めてもらいたい。
みんなのゴルフダイジェスト編集部

2018年2月13日火曜日

難しいと感じたときは、能力が伸びるとき。

難しいと感じたときは、能力が伸びるとき。

人間関係は、成功に必要な要素。ただし人間関係だけに頼ってはいけない。

説得力とは、人生を切り開く力。

相手の仕事が遅いくらいでいらいらしない。

人生の質を上げるために必要なのは、20パーセントの余裕。

脳にガソリンを入れるのは簡単。甘いお菓子と3回の深呼吸。

人は誰でも天使になれる。にっこりした笑顔で挨拶するだけでいい。

たまには怠けておかないと、人間らしくなくなる。

成功者の努力は、凡人には理解されない。

「頑張れ、自分!」と応援して、自分を奮い立たせる。

焦らずに、怖がらずに、立ち止まらずに、ただただ自分になればいい。

人生は長期戦。無理をするよりマイペース。

当たり前を笑う人は、成長しない。当たり前を笑わない人が、成長する。

感謝や謝罪は、すぐにしないと意味がない。

具体的な答えが出ないのは、具体的に動いていないから。

コンプレックスは、自分が大げさに考えているだけ。

その人との相性は、一緒に食事をすると分かりやすい。

落ち込んだときは、半身浴と読書の組み合わせが効果的。

他人が叱られている瞬間は、自分の反省を促す時間。

いい友だちを探すより、今の友人を、いい友人にしよう。

褒めるのが恥ずかしいのは、日常の一部になっていないから。

未来が真っ暗なのは、そう見えるだけ。すぐ目が慣れる。

前例のないことだからこそ、取り組む価値がある。

参拝をするときは、だらだらするのではなく、本気になる。

ミスや失敗を環境のせいにする人は、成長できない。

気分転換で着替えることもあっていい。

人と人との出会いは、奇跡と奇跡の出会い。

1日3回は、「幸せだな」と考えよ

「うるさい!」と怒鳴る人が、一番うるさい。



Ki 銀次郎
ためになる重たい言葉がぎっしり詰まっていますね。一日一回、声にして言葉にしたいものですね。こんな言葉に廻り合えて、あ~幸せだ!

“上手い人”より“強い人”。自分を信じることが“強い人”になる秘訣

日本ゴルフ界のレジェンド・倉本昌弘は「テクニック面だけ磨いても“強い人”にはなれないことも多いです」と話す。著書「本番に強くなるゴルフ」から、“強い人”になる秘訣をご紹介。
テクニカル面ばかり求めると強くなれない
プレーヤーの中には、「上手い」と言われる人と「強い」と言われる人がいます。私が見る上手いゴルファーというのは、スウィングが理にかなっていて多彩なテクニックを持っている人。そして、考え方もしっかりしている人です。ただ、その中には上手いとは言われても、強いと言われない人も多いようです。

上手いのに強いと言われない。それはどこに問題があるのかと言ったら、やはり心にあります。野球で言うブルペンエースです。ブルペンや練習では驚くほどいい球を投げるのに、試合でバッターに対すると全然結果が出ない。ゴルファーで言えば、練習場や練習ラウンドではものすごくいい球を打つのに、コースに出たり試合に出たりすると曲がる。それはもう心の問題でしかありません。

要は、心が恐怖や不安を感じている。整理ができていない。その状態のままプレーしているから、パフォーマンスが上がらないわけです。これはプロもアマチュアも同じです。傾向としては、テクニカルな面ばかりを追及する人は、上手くなっても強くなれない危険があります。技術は確かに大事です。特に、アマチュアの場合は、技術を磨くことでスコアに直結する場合も多い。でも、それにこだわりすぎて自分を疑ってばかりいると、やはり強くなれません。

まず知っておきたいのは、強い人は自分を信じているということです。強い意志というか、ブレない心を持っています。だから、強い人はというのは、得てして個性的なスウィングをしていることが多いのです。尾崎(将司)さん、青木(功)さん、杉原(輝雄・故人)さん、みんな個性的です。自分を信じているから、個性的なスウィングだからといって、それを無理に直そうとしたり、迷ったりしないわけです。また、ああいう強い人たちが、いわゆるオンプレーンの(スウィングプレーンに沿ってクラブが降りてくる)スウィングをしているかというとそんなことはありません。

だから、強いゴルファーになるためには自分を信じる。まずはそこから始める必要があります。ただ、自分を信じろと言われても、信じられない人も多いでしょう。ですから、練習の段階からワンショットワンショット、現在の自分を見つめるクセをつけ、いろいろな感情に負けている自分から目を逸らさないことから始めてください。

具体的に言うと、常にスウィングを完結させる。フィニッシュを完結させるのです。ほとんどのアマチュアは、練習のときからスウィングが完結していない。練習場を見渡しても、1球1球しっかりとフィニッシュを取っている人なんて、まずいません。

では、なぜスウィングが完結できないかというと、ボールに上手く当てたい、真っすぐ飛ばしたい、遠くに飛ばしたいという様々な感情に負けているからなのです。その証拠に、誰でも素振りのときはしっかりフィニッシュが取れるはず。それはボールがないために、ボールが飛ばない、曲がるという不安や恐怖が生まれないからなのです。

言い換えると、フィニッシュの取れない人は、「上手く当たらないんじゃないか」、「曲がるんじゃないか」と、自分を疑っている。自分を信じていないのです。そして、それが強いゴルファーになれない最大の原因だということに気づいてください。

練習のときから感情に左右されて自分を疑い、やるべきこと、やりたいことができないでいたら、本番でいいプレーなんてできるわけがありません。だから、どんなときもスウィングを完結させる。その結果、曲がった、曲がらないは問題ではありません。「目標を狙ってこの球を打つ」と決めたら、自分を信じてそのためのスウィングをやりきるのです。どんなに不安や恐怖があっても最後まで振り切って、意識が先(目標や結果)に飛んでいかないようにする。それが、いろいろな感情に負けない心を作り、自分を信じる力をつける訓練になるのです。

本番になれば、嫌でも不安や恐怖といった感情がきます。だからルーティンをしっかりやって、できるだけそういう感情が出て来ないようにする。でも、その感情を完全に押さえ込むことはできないので、普段の練習から「感情が出てきても、思ったことをやりきる」という訓練をして、「感情が出てきたけど、やるべきことをやりきった」という経験を積んでおく必要があるのです。

「本番に強くなるゴルフ」(ゴルフダイジェスト新書)より

2018年2月10日土曜日

キャディにクラブを選ばせるのは悪い習慣だ!

「キャディにクラブを選ばせるのは悪い習慣だ。いつもいいキャディに当たるとは限らないからだ」――ダグ・フォード<ゴルフは名言でうまくなる>

1/21(日) 6:01配信
幻冬舎plus
岡上 貞夫

 この言葉は、「諸君は自分でクラブを選ぶことを学ばなければならない。なぜなら、諸君自身以上に諸君のスウィングをよく知っている者は他にいないからだ」と続く。

 1955年の全米プロ選手権に優勝したダグ・フォードのこの言葉は、決してキャディは役に立たないとか、無用だとか言っているわけではない。フォード自身も、試合におけるキャディの重要さはよく心得ているに違いない。

 ただ、キャディは選手の体調や心理など内面までは理解できないから、最後は自分で決断すべきだというのが、この名言の意味合いであろう。

 クラブメンバーでも、ビジターであちこちのコースへ渡り歩いているような一般ゴルファーでも、どんなキャディさんに当たるかは、その日その日の空模様のように予測不能だ。

 さらに言えば、セルフ乗用カートでのアメリカンスタイルのコースも増えており、キャディさんそのものがつかないプレーも、最近では多くなってきている。

 ダグ・フォードの言葉は、そんな現代のゴルフ事情を見通していたのかどうかは不明だが、今となってみれば、先見の明があったように思う。

 クラブ選択をする際に、考慮すべき主な点を挙げると次のようになる。

(1)目標までの距離
(2)ボール周辺のライの状態
(3)ボール地点と目標との高低差(打ち上げか?  打ち下ろしか? )
(4)風の向きと強さ
(5)目標周辺の状況(ハザードの位置・OBの有無・地形など)
(6)自分の球筋


(1)目標までの距離
 最もキャディさんに頼って聞くことが多いのが、目標までの距離であろう。

 中部銀次郎さんは、「コースのヤーデージ表示杭や木は必ずしも正確とは限らないし、それが自分の目測と合わないときには心に余計な迷いを生むから、常日頃から目測を正確にするように訓練するべき」と言っておられた。


 外国と違って、日本のゴルフ場はヤーデージ表示が行き届いているから、グリーンまでの距離は自分で判断するように癖をつけることが望ましい。キャディなしセルフプレーも多くなっているから、なおのことであろう。

 ただし、ティーからフェアウェイバンカーまでの距離とか、フェアウェイを横切るクリークまでの距離とか、谷を越えるには何ヤード必要かというような場合は、目測でしかわからないから、コースをよく知っているキャディさんに聞くほうが正しいことも多い。

 しかし、私はあまりGPS測定器やキャディさんに頼らず、自分自身で目測して打ってみるほうをすすめたい。

 先に距離を聞いて答えを知ってしまうよりも、目測で想定した距離が、打ってみたら合っていたのか、短かったのか、長かったのかを検証するほうが楽しいからだ。

 結末を知ってしまって映画を観るよりは、知らずにあれこれ想像しながら観るほうが楽しいのと同じである。
(2)ボール周辺のライの状態
 これは、重要かつ厄介なポイントで、飛距離が落ちるだけでなく、逆に飛びすぎてしまうこともあるので、ボールのあるがままの状態はよく観察する必要がある。

 フェアウェイから7番アイアンで135ヤードキャリー、ラン5ヤードで140ヤード飛ぶ人が、ラフから140ヤード先のグリーンセンターを狙う場合を考えてみよう。

 うまく打てたとしても、ラフの深さによってキャリーは次のように変わるだろう。

 ●真上から見なければボールを確認できないぐらい深い最悪のライだと、キャリーは半分程度になる

 ●中ぐらいのラフで、ボールが見えている場合は、キャリーが3分の2程度となる

 ●浅いラフの場合、キャリーは10~20ヤード程度落ちる

 これらを踏まえ、キャリーの着弾点を推測してハザードなどを避けるプランニングは、大叩きを避けるにはとても重要だ。

 いずれの場合も、ボールとクラブフェースの間に芝がはさまるのでスピン量が減り、ランは多くなるから、トータル距離のコントロールは難しくなる。

 花道が狭かったり、ハザードが危険だったりするなら、さっさとオングリーンを諦めてショートアイアンで打ち、次打に懸けたほうが賢明だ。

 ハザードがなく、花道も広いからなんとか届かせたいというときは、長いアイアンを使うより、思い切ってソールが厚くラフでも抜けやすい9番ウッドやユーティリティなどを選択し、やや短く持ってコンパクトなコントロールショットをするほうが確率は高いと思う。

 一方、浅いラフのときで、とくに9番以下の短いクラブでは、フライヤーと呼ばれる棒球(ぼうだま)になることがある。

 思ったよりも飛んでしまい、スピンが少なく、止まってくれないから、グリーンを大オーバーすることがあるので要注意だ。

 ボール周辺のライということでは、ラフの深さだけでなく、傾斜の状況による球筋の変化も、クラブ選択をする上で影響を考えなくてはならない。

 いずれにせよ、ラフからはナイスショットしにくくなって、飛距離のコントロールが難しいので、手前から攻めるのが鉄則となり、そういうクラブ選択が賢明である。

 とくに、キャリーがどう変化するかによってクラブ選択を考えると、コースマネジメントが一変する。読者諸兄も一度キャリーでコース攻略を考えることは、是非おすすめしたい。

(3)ボール地点と目標との高低差(打ち上げか? 打ち下ろしか?)
 少し打ち上げとか、少し打ち下ろしぐらいなら、あまり神経質に考えなくてもいい。

 しかし、150ヤード先の3階建ての家の屋根に打っていくぐらいの打ち上げなら、1番手長いクラブを持つ、その逆の打ち下ろしなら1番手短いクラブを選択するのが一応の目安である。

 ただし、9番アイアン以下の高い球筋が出るショートアイアンでは、飛距離の差はあまり大きくない。ミドルアイアンで10ヤード程度差が出るなら、ショートアイアンはその半分以下と考えていいだろう。
(4)風の向きと強さ
 これは経験を積まないと会得できないかもしれない。

 どれぐらいの風力なら1番手上げる(下げる)あるいは2番手上げる(下げる)、状況によっては3番手変えるという判断は、肌で感じて経験してもらうしかないと思う。

 アゲンストではボールの落下角度が地面に対して垂直に近くなるので、ランが少なくスピンも効きやすいが、フォローでは落下角度が地面に対して浅くなるので、ランが多くなる。

 アゲンストの場合は横回転が入ると空中での曲がりが大きくなるが、フォローの場合は小さいということも覚えておいて損はないだろう。

 横からの風の場合は、球筋が高いショートアイアンほど流される度合いが大きくなる。狙う方向を大きくずらす必要があるが、5番や6番アイアンを短く持ってコントロールショットで打ち、ランを多く使って攻める方法もある。

 これらを総合的に判断して使用クラブを選択するのだが、いずれにせよ、経験値を積むしかないので、風の強い日を嫌がるのではなく、いろいろと試して楽しむことが、読者諸兄のゴルフを進歩させることと思う。
(5)目標周辺の状況(ハザードの位置・OBの有無・地形など)
 自分のボール位置から打っていくと、どうしてもバンカーのほうへキックしそうな地形、OBが迫っていて心理的にプレッシャーを受ける地形、目標周辺の地形やハザードが厳しい状況……。そんなときに目標へ届くクラブで無理して打つと、メンタル的に嫌な予感を引きずっているからミスをしやすい。

 要するに、予感のとおりハザードやOBへ吸い込まれてしまうのだ。こういうケースでは、思い切ってハザードまで絶対届かないクラブを選択することは、むしろ勇気のある決断といえる。

 刻むのは、決して恥ずかしいことではなく、大叩きを避け、スコアアップにつなげる高等な戦略なのだと胸を張っていただきたいところである。

(6)自分の球筋
 球筋がドロー系であれフェード系であれ、届く距離が一緒なら同じ番手選択でいいと思われがちだが、実はよく考える必要がある。

 フェード系は一般的に球筋が高く、キャリーが多くランが少ないのに対し、ドロー系は球筋が低くなりがちで、キャリーは少なくなってランが多めとなるからだ。

 【(1)目標までの距離】でも記したが、キャリーの距離でゲームプランを立てるのはとても重要で、キャリーでどこへ着弾するかを見極め、ハザードなどを避けられるクラブを選択しなければならない。

 このように、そこから何番で打つべきかというクラブ選択に際しては、多くの要素を分析しなければならず、まるで複雑なパズルを解くかのようであるが、だからこそゴルフが人々を狂気に駆り立てるほど面白い所以でもある。

 あれこれ考えすぎてスロープレーになってはいけないが、短い時間で(1)~(6)を総合的に判断して答えを出し、選択したそのクラブで打った結果が思い通りに出たときは、なんとも言えないほどの達成感がある。

 そして、そういう経験を積むことが、読者諸兄のゴルフを向上させることにもなると思う。だから、安易にキャディさんに聞いてクラブを選択してもらうのは、はなはだもったいない話なのである。
今回のまとめ
 1. 使用クラブを選択するにはあらゆる要素を検討しなければならないが、その中には自分自身の体調や心理なども含まれる

 2. よって、キャディさんから情報をもらうのは悪いことではないが、最終的なクラブ選択は自分自身で決断したい

 3. クラブ選択の際には、キャリーの飛距離がどのぐらいになるかで状況判断することがいい結果につながる


■岡上 貞夫
1954年生まれ。慶應義塾大学で体育会ゴルフ部へ入部、本格的にゴルフを始める。卒業後はサラリーマンとして月イチゴルファーとなるも、名言から得られる閃きを生かしシングルハンディを維持。そんな経験やヒントを伝えることで、多くのゴルフ仲間に恵まれた。
現在も定年後再雇用のフルタイムサラリーマンながら、鎌ヶ谷CCにてハンディキャップ7。若い人たちにゴルフのさまざまな魅力を伝えていきたいとの思いで、ゴルフ仲間の輪を拡大中。今回が初連載。


◾ki銀次郎
ゴルフ本来のあり方は、自然を相手にする競技だと私は思っています。GPS機器を多用して自分の力量を明確にするのは練習場だけでいいのではなかろうか?

機械に頼らず自分の読みが当たったときに奪ったバーディほど嬉しく楽しいことはない!だからゴルフの醍醐味はグリーン上のラインを読むことに集約される。


グリーン上でラインをキャディに聞くのは楽しみを他人任せにしているようなものではなかろうか?毎週同じゴルフ場に来ているメンバーさんがキャディにラインを聞いている風景を私は不思議で仕方がありません。

また、親切心からかGPS機器をお持ちの方が、訪ねてもいないのに距離を教えてくれるのもまたいかがなものかと感じてしまいます。

2018年2月2日金曜日

2月1日 6:30AM  半年ぶりの練習!


120球
ドライバー×20球 3W×10球
8鉄×30球 AW×60球  
2010年2月~累計練習打球数:221,268球


半年ぶりの練習!
練習場のお掃除おばさんに『ずいぶん久しぶりだね、元気だった?』と声をかけらた。

準備体操を終えてウェッジから打ってみた。
アゲインストの中8番アイアンを打って見たが、だいぶ飛距離が落ちたようだ。


また1からやり直しだ。
ドライバーを打ってみた。スウィングテンポはゆっくりしている。
ここは以前よりましかもしれない。


30万球打つまで頑張ってみるか!
Ki銀次郎