2015年1月30日金曜日

井上誠一のコース設計論と攻略ルート

――コース設計の心得――
私は日本の美しい自然の中でのゴルフ場設計の仕事に誇りを持っている。
この一生涯の仕事が安易な妥協で無になってしまう。


「井上のコースはこの程度か・・・・・。」と言われる。
そう評価されない為にも自分自身で常に納得のゆく仕事を厳選してきた。

井上誠一




第3章 戦略性に富むパー4ホール

4つのパー5は、それぞれ、距離に変化を持たせる。
2打でグリーンを狙えるもの、また、550ヤードを超すホールの場合は、短いパー4ホールのドライブアンドピッチの間に
フェアウェイウッドのフルショットをからませるというものとなり、600ヤード前後のホールは、
3打でミドルアイアンのフルショットということになる。



この場合でも第1打から進むべき道は限られているわけで、
ただ真っすぐ打ち進んでいけばよいというものではない。
コース戦略のルートは何本か設定されているが、最良のルートは、いくつもあるわけではなく、第1打から最も有利なルートというのは一点ということになる。



それは、多くの場合、フェアウェイの中央にはないので
プレーヤーはティグラウンドに立って自分の力を考え、
それなりのルートをしっかりと選択することが大切なことである。



その手始めにティマークの位置から考えることが必要である。
ただ漫然とフェアウェイ中央に打っていくことでは、
決して最高の結果は得られない。
というのは、この場合、2打でグリーンを狙う時に条件は悪くなってくるからだ。



設計上からはグリーンの入り口を中央に置くことが少なく、それは左右のいずれかに向いていることが多い。



攻める者としては、第1打の狙いをつける時に、それはグリーン上のピンの位置から派生してこなければならないのである。
これが、2打での条件につながり、代1打の狙いが決まるという攻め方をひもとく結果になるわけだ。



ゴルフの面白さ、深みというものがこのような点に多く含まれているといえるわけで、
好スコアを望むならば、この追求が必要である。



ただ、最近のコースの中には中央を進んでいくことだけで、
攻めきれるものもある。
しかし、ゴルフの面白さは、攻略ルートの選択、そしてそれに対しての挑戦が繰り返されるところにあり、設計者はこの点においてゴルフプレーの真の素晴らしさを生み出すことに工夫をこらしている。



その結果、攻めるほうには最良ルートを進む場合、
第1打は常にバンカーや池などのハザードがつきまとうので、
この危険物に果敢にいどむ勇気が必要になってくる。



この苦しみは次の段階で大きな楽となってあらわれ、
好スコアをプレゼントしてくれるわけだ。
逆に第1打で安全を求めるならば、次の段階では無限の危険性が含まれるともいえる。
ただ、この選択はあくまでも、自分の力を知った上でなければ意味がない。
井上誠一

(><)
ゴルフコースはこのような要素があるから、真っ直ぐなホールであっても難しいということが理解できます。



真っすぐなホールで距離も短くグリーンのピンも見えるホールなのにダボ、トリプルを叩いてしまうのは、真っ直ぐ打てないだけでなく、設計者側の意図を理解していないから、ハザードを絡めた罠にかかってしまうからだと思います。



このようなコースの基本的な知識は、ゴルフの上達には欠かせないのではないでしょうか?
ki銀次郎

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