2016年10月26日水曜日

ゴルフの見識

スコアアップの妙薬
理想のスウィング追求より、
心で上手くなる本

菊谷匡祐




◆ノー・タッチ
ゴルフ場では今日も、プライベート・コンペが行なわれている。キャディマスター室の前に集まった連中を前に、幹事が挨拶がてらコンペのルールを説明する。

「エーッ、今日はフェアウェイは6インチで、ラフはノー・タッチでいきます・・・・・」
ノー・タッチ―平たくいえば「お触りなし」である。


このルールは、最近ではかなり人口に膾炙(かいしゃ)しているようである。フェアウェイで、ボールを6インチの範囲内に無罰打でプレースすることを許すルールは、生育途上の芝生の保全なるゴルフ場側の都合によるもののほかに、せっかくフェアウェイに打ったボールが、無情にもディボット跡なんぞに入ってしまう不運を救済しようという、いじましくも互恵精神に富んだゴルファーたちの悪あがきからきている。


しかし、アケスケにいって、グリーン上を除いてプレー中のボールに手を触れたら、もはやそれはゴルフではない。


ゴルフによく似たゲームではあるが、ゴルフと呼べるものではないのだ。


現存する最古のゴルフ・ルールは、1744年に作られたものである。スコットランドのリースにゴルフクラブ「ジェントルマン・ゴルファーズ」がつくられた際に、クラブのルールとして制定されたのだ。


「ジェントルマン・ゴルファーズ」は、後に改組されて「オノラブル・カンパニー・オブ・エジンバラゴルファーズ」となった。


ちなみに、ゴルフの聖地とされているかのセント・アンドリュースは、このクラブより10年遅れて創設されたが、発足に当たって、クラブのルールはエジンバラのものをそのまま踏襲し、以後幾多の変遷を重ねながら今日まで連綿と続いて、世界のゴルフを律している。


その現存する最古のゴルフ・ルールは、わずか13条にすぎなかった。その最古のゴルフ・ルールは
「ボールはあるがままにプレーせよ」
の精神で貫かれている。昔もいまも、ゴルフはあくまでもノー・タッチ、お触りなしなのである。


◆ノー・タッチ◆
ゴルフという砂上の楼閣のゲーム理念を支える概念。この砂上の楼閣を崩すのはいとも簡単、プレー中にボールに触りまくればいい。
菊谷匡祐

(><)
スルー・ザ・グリーンでボールを触ってプレーしてきた人間に、ノー・タッチのプレーをさせると面白い現象がおこる。


例えばプレー途中で救済をうけてボールをドロップする場合において、腕を伸ばすことすらできない。なぜなら、腕を伸ばしてドロップすると体から遠く離れた場所にボールが落ちて、ライの悪い場所に落ちては困る?といった心境がそのまま体に表れる。


ゴルフはライとの出会い、一期一会なのである。
ゴルフなノータッチ、完全カップインが楽しいし、感動を与えてくれるのである。

ki銀次郎

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