伊藤園レディス(2日目)この日の翌日、新聞などで見た方も多いと思うが「女子プロ史上初」となるような出来事が起きた。一番大きかったのは、「68罰打」を受けた上原彩子の出来事で、1面で報じたスポーツ紙もあった。
ゴルフには「規則」がある。野球やサッカーと違って第三者の審判はいないので、判定を自分で下すためのもの。この規則がややこしくて、たっぷり量がある上に、読めば読むほどわからなくなることもある。
そのため「ゴルフはルールが難しい」というのが、ゴルフを始める人や、始めた人が続けるための壁になっている可能性もある。以前書いたように、エチケットやマナーも含めてゴルフ規則は一般常識的で、日常生活に置き換えてだめなことはやらなければいいし、やってしまったら「罰(罰打)」を受ける、困ったときに「救済」してくれるのも規則だ。
■前代未聞の「68罰打」、何が原因だったのか
上原のプロツアーでは史上最多といえる「68罰打」は、第1ラウンドで起こった。雨もあってコースコンディションが悪く、競技委員会は、フェアウエーでボールに泥が付いた場合、拾い上げて拭いてから元の場所に置いて(リプレースして)いいという、追加のローカルルールを設定した。
ローカルルールとは文字通り、世界共通のゼネラルルールに追加して、そのコース特有の問題点をなくして、競技者が公平にプレーできるようにするその場限りのルール。
上原は何を勘違いしたか。上原はこの追加ルールを聞いてスタートしたが、彼女が主にプレーしている米女子ツアーでコースコンディションが悪い時のローカルルールでは「1クラブレングス(クラブ1本分の長さ)以内にプレースする(ボールを置く)」ことが多いという。元の場所から動かしてはいけないリプレースとの違いを分かってもらえるだろうか。
上原は、習慣的にこちらの方だと勘違いして、元の場所に置かなければならないボールを移動させてプレースしてしまった。第2ラウンドでもそのルールが適用されたため、スタート前に気が付いた上原は第1ラウンドでやってしまったことを申告した。
15ホールで計19回、間違った場所から打ったため、19回分×2罰打の38罰打と、15ホールでその罰打を加えていない少ないスコアを申告していたため、それに対しても2罰打ずつが課せられて30罰打、合計68罰打となった。ゴルフの「罰」は加算されることも多い。どこかの国の刑法のように罪が加算されて懲役1万年とかいうのと同じ感じだ。上原は「思い込みでした」とショックを受けていた。
■選手が投げたボールがキャディーにぶつかり…
こんなこともあった。期待の若手、松森彩夏が18番グリーン上でボールをマークして拾い上げ、キャディーに投げたところ、キャディーが見ておらず、頭に当たって池にヘディングシュート。キャディーが胸までつかる池に入って探したが見つからず、新しいボールを使わざるを得なくなり、ゴルフ規則によって2罰打になった。
ボールは切れたり変形したりするなど特別な事情がない限り、1ホールは同じものでプレーしなければならない。この出来事も、筆者の記憶にない。どちらかというと、ボールを投げること自体、マナーに反する気がする。松森も投げた理由を説明できなかったので、習慣になっているのかもしれない。
最古のゴルフ規則は18世紀半ばにスコットランドでつくられたものだとされる。遊びだったものが、おもしろくてやる人が増え、競技会をしようとなり、それなら共通のルールが必要だ、という流れなのだろう。13条(現在は3章規則34ほか付属規則)あるのだが、根底にあるのは「ボールはあるがままにプレーする」ということ。
■前代未聞の「68罰打」、何が原因だったのか
上原のプロツアーでは史上最多といえる「68罰打」は、第1ラウンドで起こった。雨もあってコースコンディションが悪く、競技委員会は、フェアウエーでボールに泥が付いた場合、拾い上げて拭いてから元の場所に置いて(リプレースして)いいという、追加のローカルルールを設定した。
ローカルルールとは文字通り、世界共通のゼネラルルールに追加して、そのコース特有の問題点をなくして、競技者が公平にプレーできるようにするその場限りのルール。
上原は何を勘違いしたか。上原はこの追加ルールを聞いてスタートしたが、彼女が主にプレーしている米女子ツアーでコースコンディションが悪い時のローカルルールでは「1クラブレングス(クラブ1本分の長さ)以内にプレースする(ボールを置く)」ことが多いという。元の場所から動かしてはいけないリプレースとの違いを分かってもらえるだろうか。
上原は、習慣的にこちらの方だと勘違いして、元の場所に置かなければならないボールを移動させてプレースしてしまった。第2ラウンドでもそのルールが適用されたため、スタート前に気が付いた上原は第1ラウンドでやってしまったことを申告した。
15ホールで計19回、間違った場所から打ったため、19回分×2罰打の38罰打と、15ホールでその罰打を加えていない少ないスコアを申告していたため、それに対しても2罰打ずつが課せられて30罰打、合計68罰打となった。ゴルフの「罰」は加算されることも多い。どこかの国の刑法のように罪が加算されて懲役1万年とかいうのと同じ感じだ。上原は「思い込みでした」とショックを受けていた。
■選手が投げたボールがキャディーにぶつかり…
こんなこともあった。期待の若手、松森彩夏が18番グリーン上でボールをマークして拾い上げ、キャディーに投げたところ、キャディーが見ておらず、頭に当たって池にヘディングシュート。キャディーが胸までつかる池に入って探したが見つからず、新しいボールを使わざるを得なくなり、ゴルフ規則によって2罰打になった。
ボールは切れたり変形したりするなど特別な事情がない限り、1ホールは同じものでプレーしなければならない。この出来事も、筆者の記憶にない。どちらかというと、ボールを投げること自体、マナーに反する気がする。松森も投げた理由を説明できなかったので、習慣になっているのかもしれない。
最古のゴルフ規則は18世紀半ばにスコットランドでつくられたものだとされる。遊びだったものが、おもしろくてやる人が増え、競技会をしようとなり、それなら共通のルールが必要だ、という流れなのだろう。13条(現在は3章規則34ほか付属規則)あるのだが、根底にあるのは「ボールはあるがままにプレーする」ということ。
いい結果も悪い結果もそのまま受け入れなさいということだ。
今もベテランの選手ほど、むやみにボールに触らない。
今もベテランの選手ほど、むやみにボールに触らない。
■ゴルフが人生に例えられるワケ
いまは整備されたコースで、より「公平さ」を求めるために、ボールに触れる機会が増えているのが、思い込みの遠因かもしれない。元々は「あるがまま」が公平とされたことを、もう一度考えてみる機会になったと思う。
ちょっとした不注意、勘違いが重大な結果をもたらすことは、ビジネスでもよくある話だろう。ルールを知らなかったばかりに損をする、うまく使って得をする。
■経験を重ねることの大切さ
審判が自分というゴルフは、プロでさえこうした経験を積むことになる。上原も松森も2度と同じことはしないだろう。プライベートのゴルフでそこまで厳密にやる必要はないが、
ちょっとした不注意、勘違いが重大な結果をもたらすことは、ビジネスでもよくある話だろう。ルールを知らなかったばかりに損をする、うまく使って得をする。
■経験を重ねることの大切さ
審判が自分というゴルフは、プロでさえこうした経験を積むことになる。上原も松森も2度と同じことはしないだろう。プライベートのゴルフでそこまで厳密にやる必要はないが、
「自分で判定する」「自分に課す」という経験をゴルフでやっておくことは、ビジネスにも、日常生活にも無駄にはならない。
「ゴルフは人生の縮図」といわれることがあるが、それは「あるがままに」ということからきているのかもしれない。困ったときに「救済」を受けられたときは正直、ホッとする。
「ゴルフは人生の縮図」といわれることがあるが、それは「あるがままに」ということからきているのかもしれない。困ったときに「救済」を受けられたときは正直、ホッとする。
赤坂 厚
(><)
上記文章から、ゴルフが人生に例えられる理由がまた一つ明確になりました。私たち一人ひとり私生活においても自分のマナーやエチケットを見直し、他人に迷惑をかけないよう意識しなくてはならないと感じています。ki銀次郎
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