プロも唸った
伝説のアマチュアが
やさしく寄せる
アプローチの極意を伝授
“ワンパターンの強さ”
「上げるべきか、転がすべきか・・・」
「フェースを開いてフワッと行こうか」
「それとも閉じて低く飛び出させてキュキュッと止めようか・・・?」
『ずいぶん複雑なゴルフをなさっていすね』
「だっていろいろ悩むじゃないですか」
『私はなるべく悩まないようにしています』
『というよりアプローチいつもワンパターンです』
『まずは30~50センチのところにボールを落として、あとはピンまでゴロで行くクラブを選びます』
『たとえばボールから落としどころが1メートルで、そこからピンまで20~30メートルなら5番アイアンというように』
『その比率が違っていくごとに6番になり7番になり、やがてウェッジにまでなるわけですが・・・』
『とにかく考え方はワンパターン』
「それじゃ構え方や打ち方は?」
『それもワンパターンです!』
『ボールは普段のショットより1個分だけ右に寄せます』
『あとは掃くようにボールをヒットするだけです』
「中部さんは考え方もシンプルなら、打ち方もシンプルなんですね」
『球筋は低く出てゴロゴロと転がっていきます』
『見栄えのしないショットですハッキリ言って、カッコよくありません、でもこれが一番安全で確実にピンに寄ってくれるんです』
『ワンパターンに徹していれば、あれこれ悩む必要がありません』
『悩みが少ないから、こころが平静を保てます。その結果ミスも起こしにくいんです』
『ワンパターン―それは一見ナントカのひとつ覚えのようでいて、実はしたたかなアプローチ戦略なのである』
中部銀次郎
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