2015年10月14日水曜日

◆ゴルフグリップ


昭和の教え=さても愉しき小春かな(小針春芳)
~くすぐったいが丁度いい。敏感で繊細なグリップ~


ゴルフの基本はなにかと問われれば、私は間髪入れずに「グリップとスタンス」と答えます。
グリップがきれいで、立ち方がよければ、八割方はナイスショットを打ったようなものです。


さてみなさんは料理を作りますか?
そのとき、どこで味見をするでしょうか?




もちろん料理によっては、箸やスプーンを使う場合もあるでしょう。しかし日本料理の板前は、それも、一流になればなるほど中指か薬指の腹ですくっては、スッと口に運びます。



ついでに、これが人差し指だとなんとも素人っぽいものです。
なにが言いたいかといえば、指の腹というのは、それほど敏感で繊細だということです。
くわえて指の腹のみならず、手のひらというのは器用なものです。


この敏感で繊細で、しかも器用な指の腹(手のひら)を、文字通り活かさない手はありません。



ところがこれを殺してしまうような握り方をするゴルファーの多いこと、多いこと。私には残念でなりません。
総じて多くのアマチュアは強く握り過ぎです。



指の腹や手のひらを含む人間の体の内側は、くすぐったいものです。くすぐったいのは敏感で繊細だということです。


ところがここに力を入れ、つまりロックしてしまうと、くすぐったくはなくなります。つまりその能力を失ってしまいます。



次に形ですが、左手は大きく長く使います。
大きく長くとは、グリップを斜めに持つということ。
そこに右手薬指と中指の2本でグリップを握り、最後に親指と人差し指で軽くカギを作ります。



このとき親指と人差し指でできるV字に隙間のできる一流プロはいません。
もし練習をするなら、ここに爪楊枝をはさんで握るのもいい練習方法になるでしょう。


これで右手と左手が1本になり、敏感で繊細で、器用なグリップの出来上がりです。
(小針春芳プロフィール)
栃木県那須塩原市生まれ。高等小学校卒業後、那須ゴルフ倶楽部へ就職、キャディをしながら腕を磨き、1940年那須ゴルフ倶楽部で開催された関東プロ招待競技で浅見緑蔵とのプレーオフへ。敗れはしたが高い評価を受けプロに認定された。日本オープン2勝、関東プロ2勝、関東オープン2勝、2012年殿堂入りを果たす。「那須の神様」「那須の小天狗」の異名を持つ。

(><)
小針春芳プロはグリップでは“V字”に触れています。それに伴うグリップで最も重要なのが“トリガー”ではないでしょうか。


“トリガー”という言葉を聞いたことのない人は、絶対にグリップの見直しが必要な人だと思います。


“トリガー”を直訳すると「引き金」です。
拳銃の引き金を引くときのあの親指と人差し指の形です。
 

要するにゴルフにおけるスウィングの場合、この2本の指からは力をグリップに伝えてはいけないということなのです。



練習場で見かけるアベレージゴルファーの大半は、右手親指をシャフトの真上に置いています。
この形だと、インパクトのときに右手親指に力がはいり、ヘッドを走らせるようなスウィングが出来ないことと思われます。


人間は指の腹で触れているものは、無意識に「ギュッ」と握ってしまう性質を持っているからです。
わたしはいま体が故障しているので、友人からグリップの見直しを薦められました。



この機会にゆっくり自分の“グリップ”を見直してみようと思います。
ki銀次郎

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