――コース設計の心得――
私は日本の美しい自然の中でのゴルフ場設計の仕事に誇りを持っている。
この一生涯の仕事が安易な妥協で無になってしまう。
「井上のコースはこの程度か・・・・・。」と言われる。
そう評価されない為にも自分自身で常に納得のゆく仕事を厳選してきた。
井上誠一
“コースの目・プレパー3”
ゴルフコースで景観の美しさを考えた場合、その多くはパー3ホールに集約される。
池を生かした樹木の配置による景観は、戦略性を離れてもコース造りには絶対に欠かせないもので、コースの目として大きな役割をしてきているのだが・・・・・
“グリーン面が見えるたてまえ”
ティグラウンドの中心とグリーンの中心までの距離を水平に測って120~130ヤードから250ヤード程度までの距離の中にさまざまな姿のパー3がある。
パー3はティショットで直接ピン、あるいはグリーンを狙うのが普通で、バンカーがあるから、池があるから、といって別のルートを選ぶというのは当たらない。
そのためにはティグラウンドに立って狙うべきピンの足、グリーンの面が見えないような状態にすることは厳に慎むべきである。
平坦であるが、多少、打ち下ろしの感じにするのがたてまえになるわけだ。
逆にいえば、打ち上げのパー3は、地形的な条件さえ合えば、当然、避けなければならないことである。
つまりグリーンを狙おうとしてグリーン面が見えず、その距離によっては、ピンを狙おうとしているのにピンの足が見えないようでは、プレーヤーの攻める興味を半減させるからである。
ただ、それだけにこだわってコース全体のバランスを乱すようなことになってはいけない。
井上誠一
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