2014年11月11日火曜日

井上誠一のコース設計論と攻略ルート

――コース設計の心得――
私は日本の美しい自然の中でのゴルフ場設計の仕事に誇りを持っている。
この一生涯の仕事が安易な妥協で無になってしまう。


「井上のコースはこの程度か・・・・・。」と言われる。
そう評価されない為にも自分自身で常に納得のゆく仕事を厳選してきた。

井上誠一




第二章

“距離とグリーン周りの関係”


スコアカードを見て、その距離だけを考えた場合、
130ヤードのパー3はなにか易しい感じを受けるだろう。
逆に200ヤードを超えたものに対しては、
それだけで難しいと感じるだろう。



たしかに距離の面だけからいけば当然なわけで、力が弱く飛距離の出ないプレーヤーには特にそういう感じが強いだろう。
しかし、距離が短いだけで易しいと決めつけるのは当たらない場合がある。



130ヤードのパー3でグリーン周りにバンカーなかったらこれは易しい。
というよりは、攻めるほうにとってなんの面白味もないのである。



この程度の距離なら、グリーン周りはさまざまなバンカーで囲み、花道というようなものはほとんど造らず、打ったボールがグリーンに落ちてグリーンに止まるといったショットを要求しているのである。



ショートアイアンでのしっかりしたショットでなければ、ピンを狙ってその目的を達せられないわけで、多少トップぎみのボールが転がり込んでピンに近づくといったラッキーはゆるしていないのである。



これが少しずつ距離がのびるにつれて短い時には仮にグリーンの正面まで張り出ていたバンカーが少しずつ左右に離れていき、花道という感じの隙間を与えるわけだ。



200ヤードを超すような長いパー3で、グリーンの正面に大きなバンカーが口を開けていたのでは大きいクラブで距離を出し、その上で止まる球質のショットをしなければならず、この要求は、あまりにも厳しい。



これを緩和する意味で距離が長くなるにつれてグリーン周りは易しめにする。
つまりロングアイアンを必要とするパー3では、バンカーなどの配置に手心を加えるのである。



180ヤードから200ヤードを超すようなホールではピンを狙うということより、まず、グリーンに乗せるのが先決で、その必要性から考えると、グリーンの面が見えていればよく、ピンの足までこだわることはない。



また、距離の長いホールで、乗せることに手を貸すという意味からグリーンの面を中凹の型にしてやることもある。
これだと、ショットが多少左右にそれても、ボールはグリーンに落ちると、グリーンの中心に向かうので、乗せるということから考えるとプレーヤーに有利なわけだ。



プレーヤーはこのグリーンの傾斜を十分に計算して攻めることも忘れてはいけないわけだ。



ただ、乗せることに好条件の中凹のグリーンは、パットの時には逆に難しいラインになるので、この時はピンの位置にもよるが、前後左右から十分に芝目を読むことが、少ないパット数でおさえるためには必要なことである。



パー3ホールでは距離とグリーン周りの難易度の関係が反比例するということが一応いえるわけだ。
距離の短いホールではグリーン周りが難しく、距離の長いホールではグリーン周りがやさしいというもので、しかしこれには当然、例外もある。
井上誠一

(><)
このようなことを知っているだけで、守るべきホールと思い切って攻めることが可能なホールを判断できて、心に余裕ができるのではないでしょうか。



ゴルフの場合、何事も考えすぎはマイナスになるが、目安として持っているといいかも知れませんね。
ki銀次郎

0 件のコメント:

コメントを投稿