プロも憧れた伝説のアマチュアゴルファーは、
こうして強くなった!(中部銀次郎)
“好きなもの、嫌いなこと”
中部銀次郎は写真、帽子、人混みが嫌いだった。
だから家族揃ってのスナップはほとんどない。
人混みが嫌いだった。
大勢の人が集まる宴席なども大の苦手だった。
大切な後輩である湯原信光の結婚式にさえ出席しなかった。
車、ラジコン、酒はかなり好きだった。
ではゴルフに関しては?
マナーの悪いゴルファーを中部銀次郎は何より嫌った。
ごく当たり前のエチケットさえわきまえず、道具の自慢を声高に語ったり、スコアの優劣のみに執着する似非(えせ)紳士に辟易(へきえき)していた。
だからといって彼らに対して、あからさまにいやな顔をすることはなかった。
中部銀次郎は、ただ黙々と自分がやるべきことをやり続けた。
バンカーショットの後は、入った時よりきれいになるほどきっちり均して出た。
使った洗面台は水滴ひとつ残さないまでに完璧に磨き上げた。
他人(ひと)のためもあるが、きちんと後始末をすることが、自分自身にとって心地よかったからである。
中部銀次郎
似非=似ているが本物でない、二セ物である。
辟易=ひどく迷惑してうんざりすること。嫌気がさすこと。閉口すること。
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