ゴルフを描かれた映画のひとつに『ゴールドフィンガー』がある。
1964年の「007」シリーズである。
ジェームズ・ボンドと、オーリック・ゴールドフィンガーが大金を賭けて勝負する。
ボンドが黒いトラウザース(ズボン)に対して、ゴールドフィンガーは大胆な色調のニッカボッカーズを穿いて現れる。
たしかに第二次世界大戦以前のゴルフウェアといえば、ニッカボッカーズという印象があるのも事実だろう。
しかしニッカボッカーズはゴルフ用として生まれたわけではない。
そもそもは、英国での義勇軍のユニフォームとして始まったものであるらしい。
ブリーチーズ(脚にぴったりとした半ズボン)にヒントを得て採用されたのがニッカボッカーズ。
膝から下、4インチほどのたるみをつけるのでプラス・フォアーズとも呼ばれた。
これがゴルフウェアとして使われるようになるのは、1890年頃からのことであろう。
一説に、ニッカボッガーズは「いかさま防止策」であったとも。
林の中などで新しいボールを、穴のあいたポケットを通し、裾口から下に落とせないように。
そう思ってもう一度『ゴールドフィンガー』を観ると、ジェームズ・ボンドの黒いトラウザーズ姿にも納得がゆくのだが。
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