プロも憧れた伝説のアマチュアゴルファーは、
こうして強くなった!(中部銀次郎)
“ジャマ”
かつて中部銀次郎は父の利三郎から激しく叱られたことが一度だけある。
まだゴルフを始めて間もない少年時代、出来心でスコアをごまかしたことがある。
利三郎は烈火の如く怒り
『そんなことならゴルフをやめてしまえ!』と雷を落とした。
長じて父親になった銀次郎は、息子の隆を叱る場面がほとんどなかった。
ただ銀次郎がアドレスに入ろうとした時、隆の立ち場所が悪いとボソリとこう言った。
『ジャマ』
プレーヤーの視界に入ることの不作法を息子に理解させるには、その一言で十分た考えていたのだろう。
ところが相手が他人になると銀次郎は超人的な我慢を発揮した。
例えば練習場の隣りの打席で、二人組が大声でレッスンまがいのことを始める。
そんなシーンに出くわすと、銀次郎は自分が打つのをやめてしまうのである。
銀次郎がそのまま打ち続ければ、クラブヘッドがトップに来た時、あるいはフィニッシュに来た時、隣りの打席でレッスンしている人を怪我させる惧れがあったからである。
練習を中断した中部銀次郎は彼らが立ち去るのを、ひたすら待ち続けた。
椅子に座って・・・・・
10分・・・、20分・・・、30分・・・
それでもこの手の2人は、なかなかレッスンをやめようとしない。
そもそも周りが見えていないのだから、銀次郎の心遣いにきづかないのだから。
そんなとき銀次郎は、やむなくボソリと伝えるのだった。
『きみたちジャマ!』
練習場でもラウンドでもジャマなゴルファーにはなりたくないものである。
マナーやエチケットに反することはもとより、
「周りが見えていない」
がゆえにゴルフの上達も多くは望めないからである。
中部銀次郎
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