2016年7月21日木曜日

図解 ゴルフ百講

赤星四郎(校閲)長濱松二(著)

ボビー・ジョーンズが年間グランドスラムを達成した翌年、1931年に発売された日本初の本格レッスン書。
85年経った今も、その教えはゴルファーの心に響く




◆理外の理

右肘が完全に着いていなかったり、左手が肘の所から心持ち曲がったりするのは原理に適って居ないけれども、大きな欠点だとは言えない。


もし、そうだとすれば、ジョーンズでも、ヘイゲンでも、三百ヤードもドライブで球を飛ばす事は出来ない訳である。

何故、この不正当な型が不正当で無いかを論ずるためには、バックスウィングを引き出さねばならない。


名人は、大抵の人が、バックスウィングに際して、クラブを左手で後方に引いている。だから自然、そのクラブヘッドは、出来るだけ、長く地上に、すれすれで、バックスウィングが行なわれる。



そこで、クラブヘッドを肩の上まで持って来るためには、振り上げが必要になり、しかも、トップ・オブ・スウィング(Top of swing)の時のクラブシャフト(Club shaft)は、ホール(Hole)の方を向いていなければならぬから、この最後の振り上げをたすためには、両腕によって上に押す力を加えねばならぬ。



又左手の握りは確実になされているが、右手は緩かに唯、その親指と人差指の間にシャフトが止まっているに過ぎない。そこでこの最後の押しは、自然両手首を上向きにならしめ、左肘の曲りや、右肘の身体から心持ち離れる結果を来すのであって、これは必ずしも不正当とは言い得ない訳になる。

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