自分なりに精神的な制約を取り除く方法を考え出す。
それが練習の真の目的であり、上達するひとつの方法だと思います。
練習場ではそういう訓練をする。
訓練していけば必ずその方法は見つかります。
ムダ球を打たない効果的な練習方法とは・・・・・
中部流の奥義、ここに完結。
~下目遣い~
中部銀次郎はアドレスの最後の段階で・・・フッ・・・と下目遣いになる。焦点が定まっているようで定まっていない。どこかうつろで微睡むような目つき。人によってはちょっとエロチックな印象さえ受けるという。
「そんな艶っぽいものじゃありません。私としてはスウィング軸をきちっと意識したいための工夫なんです」
世にスウィング論は無数にある。銀次郎に言わせれば、そのどれもが正しくてどれもが正しくないという。なぜなら全てのスウィング論はその人固有のものであって、万人に当てはめるべき鋳型ではないからである。
しかしそんな千差万別のスウィング論の中で、これだけは!というキモがある。
「たとえば頭をなるべく動かさないことです」
あたまを動かさないとは言い換えれば軸をきっちり保ってスウィングすべしということである。
銀次郎の思い描く軸とは、脳天から尾骶骨まで一本筋が通っているイメージである。
「そのためには頭は立てておきたいそうすれば軸がスッと通ってスウィングが安定しますから。
しかしショットに不安があるとボールを間近に見たいと思い、知らず知らずに目がボールに近づく、頭が垂れ下がる。
スウィング軸がグニャリと折れ曲がる。
ミスショットが約束されたも同然である。
だからこそ銀次郎はアドレスの最後で、下目遣いになる工夫を自分に課しているのである。下目遣いにボールを見ることで頭がスッと立ち上がる。自然にスウィング軸が貫通する結果ナイススウィングがまっとうできる。
「焦点が定まっていないわけでもなければ微睡んでいるわけでもありません」
「ましてエロチックだなんて・・・」
銀次郎の頭にあるのはいつまでもいかに上達するか。
ただその一点しかなかったのである。
中部銀次郎
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