ひらがな選手の優勝はツアー初。父の夢を叶えた「ささきしょうこ」最終日に6バーディ3ボギーの「69」で通算9アンダーとして逆転でツアー初優勝。
最終組の明暗は“朝イチ・パー3”で分かれた。今大会の1番は打ち下ろしの160ヤード・パー3。緊張が高まるスタートホールで距離感と正確性が求められるティショットを放つことはプロにとっても難しい状況であるが、最終日最終組となればなおさら。
ささきしょうこ、岡山絵里、青木瀬令奈の若いペアリングでは、シード選手で昨季から優勝争いの経験がある青木は有利と見られたが、罠にハマってしまった。
高校時代にホームコースとしてラウンドしていた鳴沢ゴルフ倶楽部。思い入れの強いコースでの優勝争いに「今日は勝ちたい気持ちが強すぎました」と朝から気負っていたという青木はティショットがグリーン左に飛び、着弾後に池へ。まさかのダブルボギー発進で続く2ホールも連続ボギー。一気に優勝戦線から脱落してしまった。
一方の緊張でほとんど寝れなかったというささきは、いきなりのバーディ発進、パーで切り抜けた岡山と並び、2番ではささきがバーディ、岡山がボギーで逆転。ささきは2打差のリードを作れたことで18ホールを駆け抜けることができた。
何度も夢に見た悲願のシーンを、ギャラリーの中で父はまぶたに焼き付けていた。
プロゴルファーを目指した9歳の頃から、父・修治さん(56)と二人三脚でプロゴルファーへの道を歩んできた経歴を持つ。
修治さんは娘の夢に賭け、その時に勤めていた会社を退職。住んでいた家を売却し、ゴルフ場へ住み込んだこともある。ともに悪戦苦闘し、ゴルフの実力を上げてきた楽しい思い出も少なくない。だが、成長するにつれ、ささきもその事実一つひとつの重さを理解するようになっていった。
「その重みに気づいて、早くプロになって恩返しをしなくちゃいけない」と、感じながらのツアー生活1年目だ。
一方、修治さんは娘がプロになってからも、トーナメント会場に毎試合足を運んでいるが、試合が始まるとささきの組のロープ脇には姿を見せず、遠く物陰から見守る程度にしているという。試合中に自分の姿が見えることで、娘のプレッシャーになりはしないかという、父なりの配慮からだ。
優勝会見でささきは、「自分が言い出して始めたゴルフなのに、途中で逃げ出したくなることもあった」と振り返った。「これまで自分を支えてきた両親をはじめ、ファンの方、キャディさん・・・みんなに支えられているんだなと思うと、頑張るしかないと思った」と感謝の言葉が続いた。
表彰式では、応援してもらった多くのギャラリーを見渡し、堪えていた涙がついにこぼれた。
「もらった賞金は、そっくりそのまま両親にプレゼントしたい。使い途は、父と母の好きなように使ってもらえれば」。何度も父が夢に見たという優勝シーンを実現してみせた娘は、これまた絵に描いたような優勝賞金の使途を明かした。
ひらがな表記で目立つ「ささきしょうこ」。親からもらった名前は “佐々木笙子”だが「笙」の文字が読み間違えられること、姓名判断から登録名をひらがなとした。「(優勝で)みんな覚えてくれたと思う。当面はこれでいきたいと思います」。
日本女子プロゴルフ協会にひらがなで選手名登録している選手はほかに、「かねだひろみ」、「たにひろえ」の2人。優勝したのはツアー初だった。(山梨県鳴沢村/糸井順子)
ひらがな表記で目立つ「ささきしょうこ」。親からもらった名前は “佐々木笙子”だが「笙」の文字が読み間違えられること、姓名判断から登録名をひらがなとした。「(優勝で)みんな覚えてくれたと思う。当面はこれでいきたいと思います」。
日本女子プロゴルフ協会にひらがなで選手名登録している選手はほかに、「かねだひろみ」、「たにひろえ」の2人。優勝したのはツアー初だった。(山梨県鳴沢村/糸井順子)
(ゴルフダイジェストオンライン+ALBAゴルフニュースより)
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最終日に観戦してきました。スタートホールはグリーン左が池のパー3。ピンの位置は左側で、ピンをデッドに狙うには勇気が必要なホール。7時の一番スタートからこのホールを観ていましたが、どの選手も果敢に攻めていました。
もうひとつのパー3。17番がまた面白い。手前は池、ピンは2段グリーンの下段、手前ギリギリに切ってあった。段の傾斜にキャリーさせると、傾斜の勢いでボールがピンからどんどん離れてしまうほどの速いグリーンでした。
私も一度だけプレーさせていただきましたが、ギャラリーとして外からコースを眺めてみると、素晴らしいコースなのがよくわかりました。
ki銀次郎
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