ゴルフをする人なら、誰しも一度はイギリスに出かけ、是非ともスコットランドまで足を伸ばし、ゴルフ発祥の地、「セント・アンドリュース」を見てきたい、できればそこでプレイをと願うはずださ。
しかしこの名前のコースがあるのは、ご存じでしょうか、スコットランドではありません。わが日本国、それも栃木県なのです。
もっともこちら正しくは「ニュー・セント・アンドリュース」。コースを設計したのはジャック・ニクラウス。くどいようだが「セント・アンドリュース」という名前のゴルフコースは、スコットランドにはなくて、日本の栃木県に存在するのである。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。日本語で書かれたゴルフの本は無数にあるが、とれも申しあわせたように「セント・アンドリュース」である。
いつか、どこかでそんなことを決めたのだろうか。もっとも、さすが三省堂コンサイス地名辞典・外国編、平凡社大百科事典は、ともに「セント・アンドルーズ」と表記している。
日本では船の推進器「スクルー」(プロペラ)のことを「スクリュー」という。「スクリュー・ドライバー」という名前のカクテルがある。
同様にエリザベス女王の次男アンドルー王子も、「アンドリュー」になってしまう。
ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』で歌う尼僧マリアを演じたジュリー・アンドルーズ、彼女も日本では「アンドリュース」だ。
そのくせ、童話作家としても有名なスコットランド生まれの人類学者Andrew Lang になると「アンドルー・ラング」だから、分からない。
語尾のsがまた日本人にとっては厄介至極で、多くの場合“z”という発音なのに“s”になってしまう。「ニュース」がいい例だ。
天下のNHKですら(いや天下のNHKだからか)、「ニュース・センター」なのだもの。
「スンタンドルーズ」が、いかにもきざだとしたら、せめて「セント・アンドルーズ」にならないものだろうか。
(><)
著者の尾崎寔さんは同志社女子大学英語英文学科教授のときに、この本を書かれています。
和製英語とやらは、英語文化を破壊しているように感じます。言葉は正しく使いたいものですね。
ki銀次郎
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