キャディさんにおんぶに抱っこではなく
自分の推理力と判断力を総動員して
コース設計者と対話する。
そうすればゴルフはさらに楽しく、味わい深くなる。(中部銀次郎)
“流儀”
中部銀次郎は下関GC、廣野GCなどを経て後に東京ゴルフ倶楽部に移った。
その東京ゴルフ倶楽部、5番ホール、Par5、ティショットの出来次第では2オンも狙いにいける。
だが銀次郎は決して2オンにチャレンジすることはなかった。
かたくなに2アイアンを手にしてグリーン手前の花道に運んでいた。
しかしあえてチャンスに背を向けることもないのでが?
「仮に2オンに成功したとします。すると心が必要以上に高揚してしまいます」
「左右の危険なハザードを巧みに避けて、せっかくグリーンを捉えたのだから」
「ここは是が非でもと欲を掻く。その結果、案外3パットの罠に落ちたりするものなんです」
それに比べればアイアンで花道に運んで、アプローチで寄せ、
1パットのバーディで納めることのほうが、はるかに安全であり、
確実であり、何より心が無用に波立たない。
1パットのバーディで納めることのほうが、はるかに安全であり、
確実であり、何より心が無用に波立たない。
でも、アプローチが確実に寄るとは限らないのでは?
だったら少々のリスクを冒してでも2オンを狙いに行ったほうがいいのでは?
「それはアプローチの技術に不安があって、早く乗せて安心したがる発想じゃないでしょうか」
技術の無さが無理を呼ぶ。
銀次郎はアプローチを確実にするための練習に研究と努力を惜しまなかった。
セカンドショットでハザードに届かないクラブを手にするのを
絶対の選択にした。
絶対の選択にした。
確率の高さを追求して究めるゴルフがしたい。
やがてそれが“銀の流儀”となった。
そして今日も至極穏やかな形でバーディを取った。
中部銀次郎
0 件のコメント:
コメントを投稿