2015年12月4日金曜日

◆リンク魂を継承するグリーン(カレドニアン・ゴルフクラブ)



千葉県成田空港にほど近く、やがて開場して四半世紀を迎え、2000年には「日本プロ選手権」を開催したユニークなコースがある。



スコットランド国名の古語を名称にした『カレドニアンGC』で、John Michael Poellotのレイアウトはスコットランド・リンクスの魂を受け継ぐ設計手法で、造形も戦略もかつての日本にはなかったスタイル。


つまり従来の日本的“平坦なフェアウェイの林間コース”ではない。地表はうねり、変幻自在な形のグリーンが池を伴って佇むからで、それは、ポーレットがペンシルバニア州生まれの米国人だが、バター臭い米国式デザインを避けて英国式リンクス志向を目指したから。


その手腕を買われて最近では、トム・ファジオと組んで『プリザーブGC』を造り、全米100コースの81位にランクされている。彼の特徴として、対角線設計(diagonal design)がある。フェアウェイやグリーンを対角線上に置くという方式。


池でもバンカーでもターゲットをガードするハザードはプレイヤーに正対せず、斜めになるので、距離と方向の両方をテストされる。
 

したがって、スコットランドの古い名リンクス、『ノースベリックGC』15番、愛称“レダン”を模したホールがあるのは当然であろう。
『カレドニアンGC』では17番(195ヤード・パー3)がそれだ。

 
大詰めにあるホールは谷越えになるグリーンが縦長で、左側に深いバンカーが2個、右側には一段低いラフエリアになる。手前三分の二は単なる受け傾斜だが、心憎いのはその先に左右に尾根(Ridge=分水嶺)が走り、奥に下る勾配が微妙に左に傾く。

 

ホールの中心線に対して約45°左に振れたこの部分に旗の立つときは難度が著しく上がり、まさにレダン・タイプの戦略が浮き上がる。


本場のレダンホールはマウンド越しのブラインド・ホールだが、ここは明確にボールの行方が見える。それだけに、プレッシャーは倍加する。ドローボールを打ちたいが、左のハザードが気になる。この緊張感が堪らない。



距離の短い曲者のパー4が16番、そして最終18番は二度も池を越すパー5ホールで、変幻自在な上り3ホールがドラマを演出する。まさに見事なフィナーレの舞台設定ではないか。


コース設計家という創造者にはゴルフ史の古典に学んだ“温故知新”の心意気があるだろう。
西澤 忠

(><)
カレドニアンGCは、わたしが大好きな中部銀次郎さんがこよなく愛したゴルフ場なのです。銀次郎さんの本を読んでいるとしばしばカレドニアンGCの名前が出てきます。
ティインググラウンドに立っただけで、このホールはレダンタイプだな、このホールはダイアゴナル方式だなといったことが把握でき、狙ったところへ球を打てる技量があれば、更に奥深いゴルフを味わえるであろうと思う。


そんな味わいを少しでも経験できるようにするにはショットを磨く練習を積むしかないのでしょうね。
わたしもいつかそんなゴルフを味わいたい。

ki銀次郎

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