棒はどこにでも落ちていた。道具を手にした人類と、
道具をついに使わなかった類人猿。棒を手にした者が勝ちを収めた。
しかし、それが手に余る巨木であれば、どちらにも、意味はなかったはずだ。
使いこなせる技術と、使われる道具の間に、一つの必然性があるのだ。
第4章:ヘッドに関する誤解
◆素材が変化しつつある時代は、ヘッドの重心特性を見極めるのも大切。
ドライバーのヘッドはパーシモンからメタルやカーボン、さらにはその他の素材も登場し、将来的には大型化が進むことが予測される。そして形状的にも、微妙に変わってきている。
ここでやっかいなのは、形状に惑わされやすいことだ。ゴルファーの多くは通常、フェースの真ん中で当てようとしてクラブをセットする。それはヘッド後方側のふくらみの頂点がほぼ真ん中にあるので、重心もほぼ真ん中だろう、と視覚的に感じているためだ。
確かにパーシモンヘッドなら無垢の状態なのでその通りでほとんど間違いなかった。
だがヘッド内部が空洞になり、設計の自由度が高まってくると、見た目とは違う位置に重心があるモデルも少なくない。後方のふくらみの頂点がほぼ真ん中にあったとしても、フェース面上の重心位置は真ん中よりもヒール側にあったり、あるいはトゥ側だったりするものでる。
これではフェースの真ん中に当てようと汗かき練習しても意味がなくなってしまう。
プロたちは経験的に、何度か打てばどこに重心があるのかわかる。アマチュアの場合はこれが難しいが、練習を重ねて感じ取っていくしかない。
以上のことは、シャフト中心からヘッドの重心までの距離、つまり重心距離の影響だが、ヘッドの教材が変わることが大きさや形状も変わり、それにつれて重心の高さや深さも変わってくる。
ドライバーはフェース面上の重心か、それよりもやや上で打つのがベストだが、これは主に重心の高さとかかわってくる。
フェースの高さに対して重心が高い位置にあると、どうしても重心よりも下に当たりやすい。
その結果スピン量が増えて飛ばなくなってしまう。
逆に重心が低ければ、重心点かそれよりも上に当てやすくなるのでスピン量が抑えられ、飛ぶ弾道になりやすい。
このことからいえば、今後は低重心化が一層追求されていくことだろう。また重心の深さについては、ごく大ざっぱにいうなら、深いほうがやさしいと思っていいだろう。
パーシモンヘッドでは後方側にサイドメタル、あるいはバックウェートと呼ばれる金属製のウェートが装着されたモデルがあったが、これは重心深度を深くするのが狙いだ。深いほうがボールがつかまりやすいし上がりやすくなる。
ただし、過ぎたるは猶及ばざるが如しという面もあって、極端に深いとメリットよりもデメリットのほうが大きくなってしまうこともある。
上手下手に関係なく人間は本能的に、ヘッドの重心点がシャフトの延長線上に戻ったところでインパクトを迎えようとする。重心深度が深いモデルを考えてみると、浅いモデルよりもフェースが前に出ている状態になるわけで、その分、自分が思っているよりも早くボールに当たっている。
つまりフェースがスクェアに戻る前に当たっているので、当然ボールは右へ飛び出す。
深すぎると、それだけフェース面のコントロールが難しくなってしまうわけだ。
竹林隆光
(><)
クラブ業界において“低重心、低重心”と叫ばれていることが、これを読んではじめて理解できました。
これらを理解した上で、自分のスウィング傾向を把握すれば、ドライバーの選び方も変わってくるのではないでしょうか。
ki銀次郎
0 件のコメント:
コメントを投稿