2015年3月17日火曜日

井上誠一のコース設計論と攻略ルート

             ――コース設計の心得――




私は日本の美しい自然の中でのゴルフ場設計の仕事に誇りを持っている。
この一生涯の仕事が安易な妥協で無になってしまう。


「井上のコースはこの程度か・・・・・。」と言われる。
そう評価されない為にも自分自身で常に納得のゆく仕事を厳選してきた。
井上誠一






第4章 ゴルフコースの戦略要素


~攻略ルートはグリーンに関連~

プレーヤーの側から考えるならば、ハザードと思われるものがあった場合、それがどのような意味を持つかということを第一に見極めることが大切なことである。



例えば、400ヤードのパー4ホールでフェアウェイ左220ヤードに左から突き出ているバンカーがあった場合、これがクロスバンカーであるか、サイドバンカーであるかということが問題になってくるからだ。



これは、グリーンの入口から関連してくることであり、グリーンの入口がかなり左に向いていて、第一打でその方向にボールを持っていくことが望ましいわけで、そのためには、バンカーのサイドを攻めたのでは、二打でグリーン前のバンカー越えになるとするならば、当然フェアウェイのバンカーをクロスした方向に第一打を持っていかなければならないわけであり、この場合、クロスバンカーという性格になるわけだ。(第一図)





またフェアウェイ左のバンカーサイドを攻めて、二打でグリーンの入口に通じるならば、このバンカーはサイドバンカーの性格を持つのである。



つまり、攻略ルートはグリーンの向きから発していることが多い。



もちろん距離も関連するが、プレーヤーはティインググラウンドに立ったらそれを十分に見極めて攻めることが大切である。



バンカーを池にかえたり、樹木にかえたり、戦略性の持たせ方はさまざまで、プレーヤーにとってはそれがメンタルハザードにも通じることがある。



樹木の場合は立体的なハザードの役割を果たしているので、プレーヤーは十分に注意を要するわけだ。



ただ、樹木といってもその上を越すべきか、左右のいずれかを抜くべきかは、その性質やコースだてによって変わってくる。



その位置によっては、使用クラブにも規制を加えることもあり、樹木の高さということの見極めは、欠くことのできないものである。



また、フェアウェイに点在する樹木でも、最良の攻略ルートを外れた地点にある場合があるが、これはコースの景観としての意味が含まれていることが多く、逆にミスショットをした時にハザードとしての役割を果たすことがある。



フェアウェイに樹木があれば、それがただちに戦略性を持っているのではないかと見るのは早計であり、この場合は眺めとしてだけ考え、堂々とそれを避けて進むべきだ。
井上誠一

(><)
ドライバーで狙ったところへ打てないんだからコース戦略なんて知っていても何の役にもたたないよ!
と思ってはダメ!



場所によってはハザードがなしている意味が違ったり、ミスショットしたとしてもダメージが最小限に留められるルートを設定できたり、こんな知識の積み重ねがスコアを縮める糸口になると思っています。



“真っすぐな球”さえ打てればいいスコアが出るとは限らない。
ゴルフはグリーン側からコースを分析して特徴を把握する。
そこに安心感が生まれたりするものでしょう。



“ゴルフは心の格闘技”いつも心を平穏に保つ意味でもコース戦略ルートは知っておくべきではないでしょうか。

ki銀次郎

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