23年ぶりの優勝を目指す広島は、23日のヤクルト戦(神宮)に勝って首位を堅持。
リーグ断トツのチーム防御率2・87を誇る投手陣の陰には、
新任の変わり種コーチの存在がある。
畝龍実(うね・たつみ)投手兼分析コーチ(49)。
氏名も珍しいが、肩書も珍しい。
現役時代は変則的な横手左腕だったが、プロ4年間で通算7試合&0勝0敗。
引退翌年の1993年から昨季まで21年間スコアラー一筋。
特に88年ドラフト同期の野村監督からの信頼は厚く、
昨季まではベンチで指揮官の隣が指定席だった。
データ分析などスコアラー本来の職務のほか、
「動作解析のエキスパート」といわれ、投手・野手を問わず、
好調時と不振時のフォーム映像を見比べながら選手にアドバイスを送る特殊技能を評価されていた。
今季からコーチの肩書を与えられ引退後初めてユニホームに袖を通している。
職場はベンチの監督の隣からブルペンへと移った。
「去年までは、選手にアドバイスするにも本職のコーチに遠慮があって言いたいことの半分も言えなかった。今年は思う存分やれている。コーチの肩書をもらったおかげで、試合だけでなく選手の練習も見られる。
『この投手は試合では自信を持てなくて使っていないが、実はこんな球種も持っていたのか』といった発見がある」と手応えを感じている。
そんな畝コーチのイチオシは、6年目の今季急成長を遂げ、中継ぎで活躍中の中田廉。
今季8試合に登板して13回1/3を投げ無失点を続けている。
「去年まではストレートが“おじぎ”していたが、今季は逆にスピンがかかり、打者から見てホップしてくるような伸びがある」
と畝コーチ。
目立たないが、“ウネ効果”はじわじわと広がっているようだ。
(宮脇広久)
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