キャディさんにおんぶに抱っこではなく
自分の推理力と判断力を総動員して
コース設計者と対話する。
そうすればゴルフはさらに楽しく、味わい深くなる。(中部銀次郎)
“ゴルフで一番恐ろしいこと”
ゴルフで一番恐ろしいこと、それはミスショットではない。
ミスショットのあとの心の乱れ、精神的ダメージのほうがずっと恐ろしいと中部銀次郎はいう。
『ミスショットのあとは精神状態がアブノーマルになっています』
『カッとしたり、落ち込んだり、様々な心の波がいっせいに沸き起こり、渦を巻いたような状態になっています』
中部銀次郎のような名手でさえ、一試合に何度かはミスショットが出た。
そんな時どうやって心を立て直したのだろうか?
『忘れろとか、気持ちを切りかえろ、なんていう人がいます。でも忘れられますか?』
『なのに一刻も早くミスを取り返そうと躍起になる』
『気がつくと、途方もない大叩きになってしまうんです』
中部銀次郎はどの試合に臨む時も“72プラスマイナス2”ぐらいだろうなと予想する。
予想はその辺りだが中部自身の設定は72プラス2すなわち74まではOKとする気持ちでスタートしたという。
『ゴルフに“松竹梅”があるとすれば、“松”を目標設定するのではなく“梅”で良しと思い定めるんです』
『そうしておけばたとえば出だしのティショットで林に入っても、慌てず騒がずゆとりをもってセカンドショットに臨めるんです』
そんなに簡単に気持ちが切りかわったりするものでしょうか?
『忘れるのは不可能、切りかえるのも無理だとすると・・・私はミスを許容することにしています!』
『具体的にいうとたとえば目標スコア』
するとアベレージクラスの場合は・・・?
『90プラスマイナスぐらいを予想しているゴルファーなら、“90プラス5”をラウンドしてみたらどうでしょう?』
『“松”を望まず、いつも心にゆとりを持つ』
『ミスをしても柔らかくやり過ごす。その結果、心とスコアが復元してくる』
中部銀次郎は一見謙虚で控えめで消極的のようでいて、実は最もしたたかな欲張りだったのかもしれない。
中部銀次郎
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