2014年12月5日金曜日

石津謙介の男のおしゃれ実用学




“おしゃれとは”

おしゃれとは一体どうすることなのか?

「きみはなかなかおしゃれだね」
あなたが誰かにこういわれたら、あなたはこれを一体どのように受取るだろうか。



「へえ、君にもそんなこと解るのかい」
と内心得意になる人。
「そうかな、そんなに見えるかな。俺のセンスも満更捨てたものでもないんだな」と自らを慰めている人。



「冗談いうなよ。おしゃれなんてとんでもない」
と、向ッ腹を立てる人。



おしゃれという言葉は、そんなにいい意味にも、悪い意味にも使われて、賞め言葉になったり冷やかしの言葉になったり、そして聞く人の受取り方もさまざまらしい。



しかし、最近の男性におしゃれ心のない人はいないだろうし、
おしゃれを無視しては仕事にも差支えるという雰囲気も強くなったようだ。



この場合のおしゃれというのは、気取るということよりも、
人に好感をあたえる身だしなみと解釈すべきだろう。




男という人間が、社会という歯車の中の一員として仕事をしていく以上、社会性だとか対人関係を無視しては、とうてい一日も暮せぬはずだ。

とすれば、仕事をする男という人間が毎日を生きてゆくためにも、おしゃれは生活の手段といえる。

いいかえればサラリーマンにとっては出世の条件であり、
セールスマンにとっては成功の鍵にもなる。

おしゃれということは、流行的に装うとか、
毎日ひげを剃ってクリームを塗るとか、
そんな単純なことではない。



人に対して好感をあたえようとする努力である。





自分の持つ内容が、いかに高尚であり、いかに誠実であり、
自分がいかに信用するに足る人間であるかということを他人に
示すと同時に、それらしく振舞うという行動にも関連して、
自分自身を正しく律しようとする心でもある。

要は、人間としての高さを保とうとする努力のあらわれでなければ意味がないというわけだ。
石津謙介

(><)
石津謙介さん、弟の石津祥介さんとは、アパレル時代にファッションショーをはじめ一緒にお仕事をさせていただきました。
“石津謙介”という名前をみると一番最初に頭に浮かんでくるのは、
イコール“VAN”という文字ではないだろうか。



中学生のころに“MENs Club”というファッション雑誌にIVYルックが掲載され、日本の男性は“おしゃれ”を楽しむ時間というものを石津謙介さん、VANジャケットという会社をとおして学んだような気がする。



VANジャケットは、“Tokyo Van Guards”というアメリカンフットボールチームやアイスホッケーチーム、ラクロスチームなどを運営し、日本ではまだまだ目にすることの少なかったマイナーなスポーツを世の中に紹介していきました。



私が大学時代にアメリカンフットボールを教えてくれたのも、バンガーズ出身の母校のOBでした。
当時“フランスラコ”と呼ばれ、ラコステのポロシャツの中で一番高価なモデルを着てくる監督でした。



VANジャケットは、洋服はもとより、家具、酒、車、スポーツ、時計、本、道具、
おしゃれな男の必需品を日本に広めていった。
日本のファッションは石津謙介さん抜きには語れないでしょう。

磯辺銀次郎


        以上はチョイスの付録からの引用です。

0 件のコメント:

コメントを投稿