――コース設計の心得――
私は日本の美しい自然の中でのゴルフ場設計の仕事に誇りを持っている。
この一生涯の仕事が安易な妥協で無になってしまう。
「井上のコースはこの程度か・・・・・。」と言われる。
そう評価されない為にも自分自身で常に納得のゆく仕事を厳選してきた。
井上誠一
第5章 バンカーの持つ意味と性格
~クロスバンカーの例外~
バンカー、池などのハザードが実際にコースにどのように生きているか。
その意味は、どのようなものであるかという実例だが、クロスバンカーについて最初に考えてみよう。
霞が関カンツリークラブの東コースの3番ホールだが、第1図でみるように、424ヤード、パー4ホールでこのフェアウェイ左220ヤード辺にバンカーがある。
これが本グリーンを攻める時にクロスバンカーの役割を果たしている。
グリーン左にバンカーがあり、グリーン右にマウンドと松の木が立っていて、グリーン右側に森が突き出ているというグリーンに対しての条件が、フェアウェイ左にあるバンカーをクロスバンカーという性格にしているのである。
つまり、フェアウェイ左のバンカーをクロスして攻めることが最良のルートというわけだ。
これも、230から240ヤードのキャリーのある人にとってはクロスバンカーがあり、パーがバーディを狙って攻める上でのものだが、ドライバーの飛距離が200ヤードそこそこのプレーヤーには、これは決してクロスバンカーではなくなってくる。
飛距離の伸びないプレーヤーは無理にその方向を狙ってバンカーに入れるよりは、右目に第一打を攻め、二打でグリーンの入口に持っていくことが必要なことだ。
無理をして、自分の実力にそぐわない攻め方をしても決して好結果は得られないだろう。
また、第一打で右に逃げた場合でも、二打でのことを考えてのことでなければ、逃げそのものの意味がなくなる場合がある。
第一打で自分自身の最大の力で打って、200ヤード飛ばし、二打でもスプーンなどを持って、140ヤード飛ばしたとすれば、合計380ヤードになりグリーンまで残り44ヤードの距離になる。ここに問題がある。
そのプレーヤーによっては44ヤードのコントロールショットより100ヤードを9番アイアンを持ってフルショットのほうが得手という人がいる。
このようなプレーヤーは第一打からドライバーを持って攻めるよりも、三打目にグリーン狙う自分に最も有利な方法をとるべきだろう。
その結果、ピンそばにでもよれば、飛距離が出ないプレーといえども、1パットのパーをとることができるわけだ。
これなどは、フェアウェイ全体を有効に生かしたものであり、本来のクロスバンカーを感じない攻め方である。
井上誠一
(><)
ゴルフのお上手な方は、こういう知識を身につけて更に上を目指してください。
こういうことを知らなかったアベレージゴルファーは、「狙ったところに飛ばないのに・・・コースマネジメントもないよ」などとあきらめず、こういうことも覚えて上を目指しましょう。
ki銀次郎
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