2015年7月31日金曜日

石津謙介の男のおしゃれ実用学


◆由緒あるチェック
~タータン・チェック~

格子柄といっても、とてもたくさんの柄がある。その中でもレッキとした名前の柄がたくさんある。有名なものをいくつか拾ってみよう。


男の使う格子の中で一番派手なもの、はきりした赤や青や黄やグリーンが大胆に使われている柄というのは一つしかない。
有名なタータン・チェックがそれである。

 

英国のスコットランド地方で、封建時代の兵隊が使っていたもの。
柄や色によって、どこのどの殿様の兵隊で、階級なんかもすぐわかるようになっているそうだ。


今では男もののシャツやマフラーなんかによく使われているのをご存じだろう。
オーバー・コートの裏地や替チョッキなどにも使う。勿論、男だけでなく、女性のスカートやコートに随分たくさん見かける。


これは斜生地に使わないのが本格だが、小もの類に限って、時たま斜に使うこともある。
例えばシャツやスカートのようなものは斜に使わないが、靴下、アクセサリーに使う場合は、ほとんどが斜格子というわけ。

~グレン・チェック~

格子柄の中で、一番複雑なのがグレン・チェックである。外国映画にも盛んに出てくる。


だいたいこの柄は白と黒でできており、こみいっているだけにあんまりはっきりしない柄である。

 グレン・チェック(Glen Check)
イギリスでできた昔からの古い柄なので、ヨーロッパの人達はこれを好んで着ている。


このグレン・チェックの服は、上下揃ったスーツにふさわしく上着だけ、ズボンだけというグレン・チェックは邪道という人もあるくらい。
グレン・チェックの格子の上に、もう一つ単純な格子が色糸で入っているのもある。


アメリカでも五番街あたりをぶらぶら歩いている閑な人の中にこのグレン・チェックをよく見かけるが、アメリカ人が着ると、なんとなくやくざっぽく見えたり、ブロードウェイあたりの特殊な芸能人に見えてしまうから不思議だ。


グレンという名は渓谷という意味で、スコットランドのアーカート渓谷が原産地とされている。
だから正式にはグレン・アーカート、なまってグレナカート・チェックという。


プリンス・オブ・ウェールズ。これは有名なイギリスの皇太子で、とてもおしゃれな人。
彼が好んで着たのでその名をとってプリンス・オブ・ウェールズ・チェックともいう。


世紀の恋で名をうたわれたこのプリンス・オブ・ウェールズ、今ではすっかり忘れられたようだが、グレン・チェックは、依然として格子柄の代表として消えることはないだろう。
石津謙介

(><)
グレンチェックを着こなせる男は大人の男だと思う。
無地の上着などには合わさやすいが、あんまりはっきりしない柄のグレンチェックを粋に着こなすところにオシャレを感じさせる。

ki銀次郎

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