2015年7月7日火曜日

井上誠一のコース設計論と攻略ルート

――コース設計の心得――

私は日本の美しい自然の中でのゴルフ場設計の仕事に誇りを持っている。
この一生涯の仕事が安易な妥協で無になってしまう。


「井上のコースはこの程度か・・・・・。」と言われる。
そう評価されない為にも自分自身で常に納得のゆく仕事を厳選してきた。

井上誠一


第5章 バンカーの持つ意味と性格

~邪道な2グリーン~

ゴルフコースの戦略要素の種類について前章で述べたが、今回はそれが実際にコースでどのように生かされているかという点についていくつかの例を上げながら述べてみようと思う。



その前におことわりしておかなければならないことがある。
我が国のゴルフコースの場合、多くは一つのホールの中に二つのグリーンがある。
これは一年を通じてプレーを行なうというたてまえから必要に迫られてのことであるが、設計上から考えた場合、これは全く邪道である。



例えばフェアウェイバンカーについて考えた時にも、一つのグリーンに対しては、クロスバンカーの役割を果たしているのに、他のグリーンにピンがたった場合、これはクロスバンカーでもなければ、サイドバンカーでもない全く意味のないバンカーということにもなる。



両方に意味を持たせるということになれば、非常に制約され、その意味合いも薄れたものになり味もそっけもないものになっている。



ゴルフコースを攻めるプレーヤーはその戦略要素が、どちらのグリーンに対してのものであるかを理解してからゴルフコースに挑戦することが強いられているわけである。




あるホールでは、本グリーンに対しては非常に難度の高いものがあったとしても、他のグリーンに対しては非常に易しいということである。



このような場合、グリーンが違うことによって第一打からの攻めるルートが全く違うわけで、バンカーがあったり、池があったりといっても、決してその近くにルートがあるとは限らないことがある。



一方に対しては、効き目のあるハザードでも他方には意味がないということである。
この点を最もよい型で両方に対しての意味を持たせるようにすることが我が国の設計者の苦慮する点である。
井上誠一

(><)
こういうことを改めてしった上でコース戦略をたてれば、場合によってはハザードをまったく気にしないで攻めることができることもありますね。


これはコースにおいて精神的に大きなアドバンテージになることでしょう。
こういうことを知ったうえでコース形状をみていくと、また違ったゴルフの味わい方ができるのではないでしょうか?
ki銀次郎

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