キャディさんにおんぶに抱っこではなく
自分の推理力と判断力を総動員して
コース設計者と対話する。
そうすればゴルフはさらに楽しく、味わい深くなる。(中部銀次郎)
“美は諧調にあり”
「美は乱調にあり・・・・・」
波乱の人生を駆け抜けたアナキスト大杉栄の言葉である。
我々がゴルフトーナメントを見る時も、そんな気分になることが少なくない。
淡々としたゲーム運びより、山あり谷ありのエキサイティングな試合こそ観戦の仕甲斐があるというもの。
でもそれはプロだからこそ可能なことなのです。
プロゴルファーはあえて端に切ったピンを狙っていく。
たとえ外しても難しいアプローチを寄せる卓越した技を持ち合わせている。
だからこそチャレンジであり外れたときのスーパーアプローチなのである。
また時として無謀と背中合わせの池越えにもチャレンジする。
たとえ池に落としてもパーでまとめるだけのショットとパットを持っている。
だからこその池越であり、池ポチャ後のスーパーセーブなのである。
しかしプロのような技もなければ練習時間もないアマチュアが、
そんなエキサイティングなゴルフを夢見たら自滅するのみ、
「我々が目指すべきはあえて諧調だと思う、いや単調と言ってもいいかもしれません」
飛距離はなくともコツコツとフェアウェイセンターに運ぶティショット、ハザードは極力避けて安全エリアを目指すアイアンショット。
グリーンを狙うならピン位置に関係なくセンター狙い、たとえ外すとしても手前に置く。
もちろんオンしても強引に入れに行くことはせず、2パットで十分とわきまえる。
ひとつひとつのショットやパットのみならず、プレー中の心もようもきわめて諧調にして単調。
それこそがアマチュアゴルフの真髄であり目指すべき姿なのである。
美は乱調にあり、諧調は偽りである・・・と大杉栄は言った。
だが中部銀次郎ならこう反論するにちがいない。
「美は諧調にあり、乱調はプロに任すべし」と
中部銀次郎
(><)
大杉栄=1985年(明治18年)香川県丸亀出身。明治大正を代表するアナキスト。はじめに行為ありきと唱え、美は乱調にありと謳って、閉塞した時代に真っ向から挑んだ。
アナキスト=無政府主義者、社会運動家
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