2014年10月24日金曜日

中部銀次郎「ゴルフの神髄」新編

もっと深く、
もっと楽しく


「技術を磨くことより心の内奥に深く問い続けることが大切」


「自分の力を、甘くなく辛くなく正確に把握する。そこからすべては始まる」





“ゴルフは不思議なゲーム”
プロでもアマチュアでも、
自分の欲望を制御できる人が勝つ!



ゴルファーのマナーがめっきり悪くなった――という声を、
最近しきりに耳にする。



不思議なことだが、世の中、あることに大勢の人びとがかかわると、
必ず質が低下するようだ。



ゴルフも、国民の十分の一を超える人びとがプレーするようになれば、ゴルファーの質が低下するのも自然の理なのかもしれない。



もともと、私はゴルフのルールブックを見るたびに、訝(いぶか)ってきた。
規則の前にマナーとエチケットの条項があるのは、いったいなぜなのだろう?



ゴルフにおけるマナーやエチケットは、
決して特殊なものではない。



わたしたちが日常生活を営む上で要請されるマナー、エチケットと違うところはまったくないのである。
本来ルールブックに記載されなくてはならない理由など、どこにあるのか?



ゴルフがスポーツであり、勝敗を競うゲームである以上、強くなりたがらない人がいるはずもない。
少しでも強くなりたいからこそ、練習に励み、向上したいという欲求がなければ、スポーツマンとは呼べない。



しかし、努力もしていないのに「勝ちたい」あるいは「負けたくない」という欲求が強い人ほど、ルールや数をごまかし、ようはスコアを優先するばかりに、手段を選ばず自分の一番悪い部分を露呈してしまう。



もうずいぶん以前のことになるが、ダンロップ・フェニックスで
中嶋常幸君が、バレステロスと最後まで優勝を争って、負けたことがある。



72ホール目にきたとき、彼は後続パーティのバレステロスに2打差をつけられていた。




このパー5ホールのホールで、彼はドライバーショットを右ラフに打った後、8番アイアンでフェアウェイにボールを出した。



後に状況を説明した本人の言葉によれば、
「あそこからグリーンまではスプーンで届いたかもしれないけど、
いまのぼくには、ラフのあのライからグリーンオンさせる力はないと判断した・・・・・」というのである。(プロの彼が・・・である)



仮に彼が冒険を冒して2オンを狙い、目論見通りに成功してイーグルをとり、いったんは並んだとしても、バレステロスが1打縮めれば勝てない。



が、1打目を刻んでもまだバーディであがるチャンスが残されていて、バレステロスがもしボギーを打てばプレーオフになるという状況だった。



あそこから2オンさせる力がいまの自分にはないという中嶋君の
言葉は、当たり前のことを語ったものかもしれないが、尊い。



自分のできることとできないことを、はっきりわきまえる、
ここにこそ“勝つ”ことだけを目指しているわけではない
ゴルファーの本質があると思うのだ。



しかし、周囲はうるさかった。
たとえ1パーセントでも優勝できるチャンスがあったのだから、果敢に攻めていくべきだったというのである。



2打目で安全にフェアウェイに出すなんぞ“負け犬”だという声もあったと聞く。
勇気がないという批判もあったとか。



だが、それは逆なのだ。



わたし自身も何回となく経験しているが、――そしてたいていの
アマチュアゴルファーも――中嶋君のおかれたような状況で、
勝ちたいという自分の欲望に負けて賭けに出るのは、むしろ易しい。



心の中で頭をもたげてくる欲をおさえ、自分の力量を冷静に計って、できることとでいないことを明確に判断するのは、勇気を要することなのである。



ゴルフは、不思議なゲームである。
ショットがどれほどよくても、
パッティングがどれほど巧みでも、
必ずしも勝てない。



長い目で見れば、プロでもアマチュアでも自分の欲望を制御できる人が勝つのである。
中部銀次郎



(><)
「わたしたちが日常生活を営む上で要請されるマナー、エチケットと違うところはまったくないのである」



このような文章を読むと、私もゴルフをする一人の人間として、
大いに反省しなければならないと思いました。



「自分の欲望を制御する・・・・・」



私はミドルホールのティショットで4番アイアンを握ることがたびたびある。
それはドライバーが苦手だからではない。ドライバーはむしろ得意なクラブなのだが、
欲望を抑える訓練を自分に課しているからなのだ。



ドライバーを握るのは簡単で、賭けに出て、エイッ、ヤッっとOBを打つことはむしろ易しいと私は思います。



林の中からムリをしないで真横に出すことを完全にできるようになったとき、100が切れるようになったことを覚えている。



ティショットで4番アイアンを握る理由は、私はアマチュアで月一ゴルファーである。
確率を重視する心構えをぶれさせず、欲を抑えるゴルフを選択しているからなのだ。



欲を抑えることの訓練を積み重ねる場面は、18ホールプレーする中でたくさん出てくる。
ゴルフはいわば「欲」と戦いだと思っています。



100を切りたい人の欲と、90を切りたい人の欲は違うと思う。
さらに80を切りたい人の欲はまったく違うはず。
それぞれを自覚しないと対策は打てないと思います。



私はその自覚がないので、すべての欲を抑える訓練をしています。
「欲」を抑えてくれるのに一番役にたっているのが、
目土やディボットの修復、コースのゴミ拾いなのです。



心に波風を立てず穏やかな気持ちでプレーすればするほど、
ゴルフの本当の味を多く感じることを覚えました。
ki銀次郎

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