プロも唸った
伝説のアマチュアが
やさしく寄せる
アプローチの極意を伝授
“心の窓”
「また出ない!中部さん、バンカーショットが上手くなるコツを教えてくれませんか?」
『誰の言葉だったか“心の窓が開いているうちに打て!”といったプロがいました』
「えっ、心の窓が開いているうちに?」
『そうです、アドレスをした時、これはうまく打てそうだな、ナイスアウトしそうだな――となんとなく予感することがあります』
『そういう心理状態を“窓が開いている”と表現したんだと思います』
「それならボクの場合はバンカーの窓は閉まりっぱなしってことですか?」
『・・・・・というより自分自身で閉めているんです』
「自分で自分の窓を閉めていると?」
『バンカーショットはピンまでの距離が短いわりに大きなスウィングを要求される』
『だから心に不安が生じやすい』
『でも一度で出れば御の字だという謙虚な気持ちで臨めば、それほど厄介なしろものではありません』
「中部さん、ボクもバンカーに足を踏み入れる前はそんな気分なんですが・・・?」
「ところが足場を固めているうちに、ここの砂は固いとか柔らかいとか、あれこれ考え出したんですね」
「ええ・・・他にもピンが意外に近いとか」
「土手が高いから高いタマを打たなきゃとか」
「できれば1ピンに寄ってほしいとか」
「ホームランだけは避けたいとか!」
『そんな風に抱えきれないほどの情報を仕入れて、欲と不安にさいなまれながら、あれこれ思いを巡らせること、それこそが“心の窓を閉じる”行為に他ならないのです』
「すると窓を開くには?」
『思い切ること!あれこれの思いを切って、ただもう一度でバンカーから出ればそれで最高と、そんな素直な気持ちに立ち戻ることです』
『そうすれば心の窓が自然に開いて、スウィングも大きくゆったりと理に叶ったものになるんです』
中部銀次郎
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