2015年6月11日木曜日

石津謙介の男のおしゃれ実用学


◆柄のこと
~デブの柄~

紳士服の中で一番スマートなのはストライプ縦縞である。
どちらかといえば、これはドレッシーな柄なので、都会的な感じがする。



スポーティな服だとか上下違ったセパレート・スタイルの時などには敬遠したほうが賢明らしい。



ストライプにも、ピンからキリまであって一番細い縞のことをヘヤーラインと呼ぶ。
髪の毛を並べたように細いという意味だが、こんな柄で作る服というのは、上下揃いのスーツ、そしてきちんとかしこまった席へ出る時だとか、毎日オフィス用に着るにふさわしいといえる。



瀟洒な紳士というのは、ペンシル・ストライプの紺の服を持っているといわれるが、このペンシル・ストライプというのは、鉛筆で書いたような細い縦縞が目立たないように入っているもので上下揃いで着ると、とてもスマートに見える。

 ペンシルストライプ
                                             (ピンストライプ)

勿論、都会の社交着だとか、重役さんのオフィス着といった感じ。
よく手入れした折り目正しい服でないと意味がない。



鉛筆よりもう少し太い線の入ったが、チョーク・ストライプで、黒板にチョークで筋を引いたような縞が少しぼやけて見えるので、やや派手な感じ。

 チョークストライプ
                 (チョークストライプ)

だからこれは上下揃って着ると、アメリカのギャングのようになる。
上着だけというスポーティな感じで着るほうがしっくりくる。



一番太いのはブレザー・ストライプといわれ、その巾は3センチか、4センチくらいあるような、まるでテントの柄みたいな太いのもある。



これはまったくスポーティな目的に着る服だから、街の中を着ては歩けない。
とにかく縦縞というのは、縦に長く見せる効果があるから、横に面積をとった太った人は、これで随分救われる。

~ノッポの柄~

近頃はチェックが流行だという言葉をよく聞く。
紳士服の柄として、チェックは種類としても一番多い。ざっくりしたツィードの替上着などはスポーティな感じで、これにはストライプよりも、チェックのほうがうんと多く使われる。


ところでチェックの種類だが、一番小さい格子をピン・チェックという。ピンの頭ほどの小さな格子というわけ。
これならほとんど無地に見えるのでスーツとしてビジネス用にも立派に通用する。



少し大きくなると、セパード・チェック。
例のセパードという犬の名がついているが、これはスコットランドの羊飼達が好んで着た柄で、羊飼のことをセパードという。

 シェパードチェック
                 (シェパードチェック)

もっとも大きな格子といえば、ブランケット・チェック。
毛布にあるような大柄で、冬の防寒用のオーバーコートの裏地などに使う。


格子柄というのは、面積を広く見せる効果がある。
だから体格の貧弱な人が着ると、比較的がっちり見えるし、格子が入っていると色も明るい調子になるので大きく見える。
だからやせた人が着ると救われる。
ひょろひょろノッポにおすすめしたい。



~ノッポの柄~
一番平凡で、誰にも無難に着られる男の服の柄といえば、ヘリンボーンだろう。杉綾である。
ヘリンボーンという呼び名だが、ヘリンというのはにしん、ボーンは骨というわけ。
別ににしんでなくてもよいわけだが、とにかく猫がお魚を食べたあとに残った骨だけの魚みたいな柄というところ。

 「ヘリンボーン」の画像検索結果
                        (ヘリンボーン)

杉の葉っぱみたいだと観察が細かい。
だからこれを杉綾と呼ぶ。



このヘリンボーンにも、大きな杉の葉っぱから細かいものまでいろいろあるようだが、大きな杉綾ツィードなどに多く、替上着やオーバー・コート用のもの。



細かい杉綾はちょっと離れると無地に見えるが、これなどは上下揃ったスーツにしても、とてもしゃれたものになる。


それほど印象的な柄ではないが、こんな落ち着いた柄がしっくりするという男性は、きっと好感の持てる人に相違ない。



この柄は杉綾とはいえ、やはり縞が縦に通っているので、背の低い人の欠点を補うのには都合がよいし、全体柄にも見えるので、体の小さい人も救われる。
石津謙介



(><)
ストライプ柄をスタイルのいい人が着ると、更にスタイルが良く見えてカッコいいものです。



ストライプを着ている姿で、最近カッコいいなと思ったのは、女子プロゴルファーの木戸愛選手ですね。


カッコいいスタイルというのはバランスが大切です。足にしても腕にしても長ければいいというものではない。
適度な長さと太さのバランスのよさがカッコよく見せるのです。



石津謙介さんの文章を読むことで、オシャレの基本を理解できるようになっていきます。
自分の好みやセンスが変化しオシャレになっていくのです。
石津ワールドは日本のファッションの原点ですから。

ki銀次郎

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