棒はどこにでも落ちていた。道具を手にした人類と、
道具をついに使わなかった類人猿。棒を手にした者が勝ちを収めた。
しかし、それが手に余る巨木であれば、どちらにも、意味はなかったはずだ。
使いこなせる技術と、使われる道具の間に、一つの必然性があるのだ。
第3章:硬度の偏見
◆統一基準がないシャフト高度が最大のクセ者
クラブに何らの疑問も抱かない絶対的な信頼感が上達を妨げる好例がシャフト硬度である。
業界に明確な統一基準がなく、それぞれのメーカーによって基準が異なっているのが最大のネックだ。
たおえばA社のRシャフトはB社のSシャフトよりも硬いなどという例はいくらでもある。
また、シャフトはS一種類のみというメーカーもあるが、それでもこのメーカーの製品は非力な女性や高齢者にもけっこう人気があるという。
これらのことは、メーカーによっていかにバラつきがあるか、そして、アマチュアゴルファーがいかにシャフト硬度を軽視しているかを示すものである。
しかし実際には、シャフトの硬さはクラブの機能に大きな影響を及ぼすものなのだ。
アマチュアがクラブについてカン違いしていることを分析してみると、シャフトに関することが最も多い。
◆アベレージゴルファーは硬いシャフトほどタマが曲がらない
日本人は一般的にレギュラーで十分だ。
飛距離が出るからということでシャフトを硬くしているアマチュアもいるが、チマタの飛ばし屋程度ならレギュラーで間に合うのである。
硬いと方向性がいいとか、柔らかいと方向性は悪いが飛距離が出るといわれるが、これはゴルファーのレベルによってかなりの差がある。
トップアマくらいになると、硬いほうが方向性は悪いが飛距離は伸びる。
これは、硬いシャフトを、ふだん使っているものと同じだけ本能的にたわませようとして、その結果、ヘッドスピードが速くなるからだ。
逆に、ハーフ50前後でまわるプレーヤーの場合は、シャフトが硬いとたわみ量も少なく、ジャストミートしやすいのでボールは曲がらない。
飛距離が出ないのは、インパクトでのシャフトのたわみ量が小さいためにボールが上がらないからである。
先にも触れたように、インパクト時のシャフトのたわみには、左右(ヨコ)と上下(タテ)の二方向がある。
そして、ヨコのたわみは主に飛距離、タテのたわみは主に方向性に影響をもたらす。
たわみ量はわずかなものだが、実際にはこのわずかの差が方向性にあらわれてくるのである。
われわれは無意識のうちにそれを調整しているのであり、たとえばロボットマシンでは不可能な、人間だけが持っているデリケートな技術なのである。
竹林隆光
(><)
アベレージゴルファーほど「シャフトは硬めにしたほうがタマは曲がらない」というのは目からウロコが落ちた方も少なくないのではありませんか。
ki銀次郎
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