プロも唸った
伝説のアマチュアが
やさしく寄せる
アプローチの極意を伝授
~イップス~
中部銀次郎は終生イップスいう名の業病に罹患(りかん)することはなかった。
もちろんギリギリの緊張感の中でパットをし、心臓がノドから飛び出しそうな思いは経験した。
それでもなお構えたまま石像のように固まってしまうとか、たった1メートルのパットを3メートルも4メートルもオーバーするなどという悲劇に見舞われることはなかった。
とはいえ銀次郎は自分がある意味イップス予備軍であることを冷静に認識していた。
「どちらかというとゴルフに対して生真面目で、理想を追い求めるタイプがイップスになりやすいんじゃないでしょうか」
「実は私もそういう傾向があります」
その大きな理由は、
「外しちゃいけない!」
という発想からパットに臨むことがなかったからである。
それでもなお銀次郎はパットの名手として君臨し続けた。
数々の勝負パットを沈め、輝かしい栄冠を手にいれた。
「外しちゃいけない!」と思うと心が怯える、肉体が強張る。
その結果なかなか打てなくなる。
こんなに時間をかけて「きっと周りは呆れているだろうな」
などという心配まで心をかすめるようになってしまう。
一見優男(やさおとこ)に見えて実は胆力(たんりょく)にあふれる銀次郎は、「外しちゃいけない!」
などとこれっぽっちも考えなかった。
ではどんな思いでパットに臨んでいたのか?
「真っ直ぐ打てば必ず入る」
と心に決めてアドレスし、思い定めたラインへ打ち出していた。
とはいえ入らないときももちろんある。
そんなときは「それはそれ!」
やわらかくやり過ごす術を心得ていたのである。
中部銀次郎
(><)
ゴルフのショットはどれも難しいけど、パットはすごく難しいと思っています。
「それはそれ!」
こんな気持ちになることが、ゴルフには重要なのだと思います。
ki銀次郎
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