2015年11月4日水曜日

中部銀次郎のグリーン周り(最終稿)

プロも唸った
伝説のアマチュアが

やさしく寄せる
アプローチの極意を伝授

~さり気なくかっこよく~

内藤正幸は中部銀次郎からいろいろなことを教わった。
たとえばクラブハウスで食事をする時、中部は必ずといっていっていいほど端っこの席にしか座らなかった。
(内藤正幸=81年日本アマチュアチャンピオン中部銀次郎を師と仰ぎ中部イズムの継承者といわれている)

「クラブチャンピオンになったりすると、威張るアマチュアが多いじゃないですか」
「でも中部さんはむしろ目立たないように目立たないように振る舞っていました。」



中部の名前はハンディキャップ表のトップに記されている。
クラブチャンピオンのボードにも刻印されている。
それで十分じゃないかというのである。


というか、
『ただうまいだけじゃダメなんだよ!』
って、我々後輩に教えていたような気がします。


たとえばアベレージゴルファーとラウンドする時、中部は彼らの
打球から決して目を切ることはなかった。
打った本人は弾道をあいまいにしか記憶していない。



だが中部は落ち際まできちっと見定め決してボールを見失うことはなかった。
『同伴競技者にロストボールをさせるのは自分の恥』
だとさえ思っていましたね中部さんって人は。



ロストすればそれだけ時間がかかる。後ろの組も迷惑する。
自分だけでなく周りの人たちのことを考えれば、他人の弾道から目を切らず、落ち際まできっちり観察してことは、中部にとって当たり前のことだったのである。


たとえばグリーン上、中部はラインを読むためにしゃがんだりはしなかった。




自分のパッティングの番がくると、さっさと構えに入り、さっさと打っていた。
「他人がやってる間にラインを読んどけ」
ってことですよね」



自分の番になってからボールの後ろにしゃがみ、カップ側に回りこんでしゃがみ、さらにボールのところに戻って何度も素振りを繰り返し・・・・・


アマチュアだからこそムダなことはしない、目立つことはしない、アマチュアだからこそ自分のプレーだけでなく同伴競技者や後ろの組のリズムも大切にする。


「結局すべてにおいて、さり気なくカッコよくってというのが中部流でしたね」


さり気なくかっこよく・・・
しかしそれはすべて中部にとって、ごく当たり前のことをしているに過ぎなかったのである。
中部銀次郎

(><)
連載してきました「中部銀次郎のグリーン周り」はこれが最終稿になりました。


クラブハウスのレストランで端っこに座る、以前読んだはずが忘れていました。
我々のようなビジターが、大きな顔してレストランの中央にいてはメンバーさんに失礼ですよね。
改めようと思います。


中部さんの精神こそ、わたしたち一人ひとりに欠けていて現在、そそして未来に向けても忘れてはいけないことばかりではないでしょうか。
中部銀次郎シリーズは続けて連載していきます。
よろしくお願いいたします。

ki銀次郎

0 件のコメント:

コメントを投稿