2016年8月22日月曜日

【ありがとうの握手で流した涙】(本田宗一郎)

1991年、本田宗一郎さんは亡くなっています。
生前、宗一郎さんは、こんなことを言っていたそうです。


「素晴らしい人生を送ることができたのも、お客様、お取引先のみなさん、社会のみなさん、従業員のみなさんのおかげである。
 俺が死んだら、世界中の新聞にありがとうございましたという感謝の気持ちを掲載してほしい」


実は、宗一郎さんは結構早く、社長を引退しているんです。
66歳で引退し、いわゆる「会長職」にも就いていません。
「終身名誉顧問」にはなったんですけれども、仕事からは、一気に離れたそうです。
で、社長を辞めた後、宗一郎さんは何をしたかというとですね、
日本中にある、ホンダの事業所


販売店から工場から当時、700カ所あったそうですが、
その700カ所すべてを回って、すべての従業員一人一人と握手して、
「ありがとう、ありがとう、いつもありがとう!」
と言い続けていたそうです。


しかも、中には、2~3人しか働いていないような、
ものすごく田舎の販売店もあったのですが、そんなところも全部回ったそうです。
そして、その後、海外事業部も全部回ったそうです。


全部まわって一人一人と握手して何年もかかったそうです。
周りの人たちは、
「ホンダの創業者が直々に握手しにいけば、社員のモチベーションはあがりますよね。仕事をもっと頑張ってくれて、業績も上がりそうですよね。だから握手しに行くんですね」
って言っていたそうです。


でも、実はそうじゃないんです。宗一郎さんはそんなこと、どうでもいいんです。
自分がお礼を言いたいからまわっているだけだったんですって。


ある日ね、田舎の販売店をまわった時に、車の整備をしていた人が、
「宗一郎さんが来た!」って聞いて、喜んで走ってきたんですって。握手してもらいに。で、握手をしてもらおうと思って自分の手を差し出した瞬間に、「アッ!」って言って、パッと自分の手を引っ込めたんですって。


なぜかと言うと、手が油まみれだったんですね。仕事中に急いで走ってきたから、
「今、洗ってきます!」って、手を洗いに行こうとしたら、宗一郎さんはその社員の背中に向かって、「その油まみれの手がいいんだ!」って言って、その整備士を引き止めて、握手したそうですよ、両手で。


でね、嬉しそうにその手をながめて、目を細めて、手の油のにおいをかぐんですって。そんなの見てたら感動しますよね。泣きますよね。


宗一郎さん、こんなことも言っていたそうです。
「握手すると、みんな泣くんだ。そして、その涙を見て、自分も泣くんだ」って。
すごいですよ、この人。だから、本気ですよ。
この「ありがとう」は。本当に心からみんなに感謝しているんですよ。

「私が一番受けたいココロの授業」より


(><)
1969年、私が10歳のときに我が家も初めて車を買いました。
HONDA NⅢ360という軽自動車。空冷エンジンチェーン駆動の車でした。


買ったお店は今でも近所にある自転車さんを想像してもらったいいかも知れません。お店に車は展示されていない小さなバイク屋が、今のディーラーの前身でした。

値段はスポーツタイプだったので¥385,000だったと思います。我が家に車が来た喜びは今でも鮮明に残っている確かな思い出です。
ki銀次郎

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