2014年10月23日木曜日

中部銀次郎のグリーン周り

プロも唸った
伝説のアマチュアが
やさしく寄せる

アプローチの極意を伝授




“ラフ”


ラフのボールにアドレスする時、銀次郎はあえて浮かせてクラブを構えたという。



その理由の第一は――
『疑わしいことは、すべきじゃないと思っていますから』


ソールをすればボールの後ろの草を押さえつけて、
ライの改善を企てたのではないかと疑惑を抱かれる。
現にそういう姑息な手段を弄するゴルファーが存在する。


中にはわざわざドライバーで押さえつける輩もいる始末。
だが「あるがまま・・・」が身上の銀次郎にとって、
それはゴルフというゲームから最も遠い所業といわざるをえない。





だから『クラブは浮かせて構えます』


とはいえマナーやルールを大切にするということだけが理由の全てではないようだった。
実はソールをしない利点を銀次郎は知り抜いていたのである。



利点とは何?



『ソールをするとテークバックでクラブがひっかかります』
そのためスウィングに微妙な悪影響が生じる。
それを避けるためにソールを浮かせて構える。



『さらに浮かせて構えると、上からクラブを入れていくイメージは鮮明になりますから』



ちょうどバンカーで構える時と同じように浮かせて構えることで、
上からクラブを入れるイメージがビビッドに予感されるのである。



ラフからのショットに臨むとき――



銀次郎はマナーもルールも戦術戦略も
全ての理由が心の中で合致して、クラブを浮かせて構えることを
選んだのである。



そしてナイスショットでグリーンをとらえていた。
中部銀次郎

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