2015年11月24日火曜日

◆脳の科学

チョイスNO.215よりの記事です。

◆脳の科学
我々の脳活動はどうなっているのだろうか?
久しぶりのプレーを心地よく思っているのか?
はたまたハザードのプレッシャーでいっぱいになっているのか?
トッププレーヤーの脳の中身は?
脳の動きと体の動きについて諏訪東京理科大学教授・脳科学者篠原教授と白木教授に聞いてみた。



★左脳で穏やかにボールを追う、右脳が気持ちいい弾道を描いている。
★要らない回路を切断できるかどうか
ドライバーショットの場合、データを見ると前頭葉と頭頂葉にある運動野、前運動野、体制感覚などの活動が高まっています。左脳よりも右脳の働きが強くなっていることがわかります。ということは、打ち方などより、弾道が富んでいく様子などを思い浮かべていて、より空間をイメージしている状態であるということがわかります。(篠原教授)



Q、プロとアマチュアの脳の違いはあるのだろうか。
A、技を作り上げるプロセスでは前運動野や運動野、体制感覚野などを使いながら、ああやったらうまくいった、こうやったらうまくいった、こうやったら失敗したとか、フィードバックをかけます。
次に実際のプレーのとき、こんな感じにすればいいんじゃないって予測をかける。これがフィードフォワード。
このふたつをやりながら技の修正をしていくと、脳の中に内部モデルができてくる。この内部モデルの作り方がプロの場合、非常にうまくシステム化されているといえます。(篠原教授)



内部モデルの重要なポイントは、技が出来上がるにつれて、機械でいえば、新しい配線がつなげられるイメージをもつと思うが、脳の場合は逆で、むしろ配線のつながりはたくさんあって、不要なつながりを殺していく作業になる。
この制御ができるようになると、スムースで滑らかな動きが出てきます。プロであろうとアマチュアであろうと最初は動きがぎこちないのは当たり前、ひじがひっぱったりして妙な動きだったのが、余計な配線が制御されていると、妙なことはしなくなる。脳内では、不要な神経ネットワークを殺すという作業が必要になるんです。
(篠原教授)
この作業をやっているのが「小脳」。
小脳は大脳に比べて小さいが、神経細胞は大脳に比べて8~10倍あり、ここの神経細胞が密度として濃い。
それは細かい制御能力をもち、細かい神経ネットワークで抑制もやっている。この抑制ができるようになるとスムーズで滑らかな動きが出てくる。



★伝説を脳で解明
ゴルフ界のレジェンドたちは、スーパープレーもそうだが、数々の伝説的なエピソードをもっている。
たとえば青木功は、すべてのショットを覚えているという。
「体が覚えているパターンの数が多いからだと思われます。
たとえば『ちょっと曲げる』のも、その『ちょっと』の度合いややり方などのバリエーションが想像を絶するほどたくさんあって、それが身に付いている。
フェードを打つにも、A-1、A-2・・・・・A-50、とすごいバリエーションがあり、全部使い分けられる。
だから『あのときはA-33のフェードを打った』という感じで覚えていられるのだと思う」
(白木教授)
「普通の人と比較すると、コースで1打を打つのに、過去の記憶と合わせてかなり多くの手順を考えている。
技の記憶というものは無意識的記憶なので本人が意識せずにやっている。プレーするたびに記憶の引き出しを脳から出し続けるので、より鮮明になっていくのです」
(篠原教授)


ホーガンの脳もこれと同じ。
ニクラスのような空間認識については「俯瞰で見られるというのはイメージトレーニングと近く、コースのラウンドメモなどを見ていると、トップ選手は前運動野とか運動野とか、実際にゴルフをやっているときに動く脳部位の活動が起こります。そしてイメージ化にも優れていて、カメラアイで見ると自分のプレーを引きで見ていたり、コース上から俯瞰的に見てコースでの自分の位置取りも見えているということになるのです。
タイガーのようなケース。プレー中のネガティブなことはこの脳のメモリーを多く使ってしまいます。次の一打に集中するには、不安ンを取り除くことが必要です。プロがルーティンをだいじにするのもじつは、余計なことを省く効果もあるのです。これはデフォルトネットワークといって神経回路をつなぎっぱなしにして、休止させている。この能力が優れています。

★上手い人は前運動野と体制感覚野の連動がいい
トップアスリートの脳を見てみると、もっともっと具体的。
たとえばスレートだと一歩一歩のイメージで、本当に筋肉を具体的にどう使ってエッジをどう立ててと具体的にしている。そのときの脳イメージをすると滑っているとき以上に脳の活動がさかんになっている。それくらい連動している。

★脳のメモリーには限界がある。
前頭葉はワーキングメモリーという機能を持っている。記憶や情報を一時的に保持して組み合わせる。そして何か答えを出していくもの。しかし脳のメモリーには容量の限界があることが知られており、そのメモリーのまとまりはだいたい3つ。あのこと、そのこと、このことくらいしか覚えていられないのだ。

★トレーニングによって滑らかな回路ができる。
小脳から筋肉へいく神経の伝達回路は、トレーニングや練習によって、使わない回路は切断され、研ぎ澄まされていく。その結果、無駄で変な動きは出なくなり、スムーズで滑らかな動きを生み出すようになるのである。

(><)
11月21日(土)20:30の日記に書いたのが「ボールを曲げて覚える」
言葉だけを比べてみる。
「真っ直ぐ打ってピンを狙う」
「ドローボールでピンを狙う」


ゴルフは真っすぐ打つことが難しい。しかしインテンショナルにドローやフェードをかけることは可能である。
ならば脳に記憶させ、それを再現しやすくするには「ドローでピンを狙う」という明確な指示があった方が脳は記憶しやすいのではないかとわたしは思う。
ki銀次郎

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