2016年6月13日月曜日

【 刀は忘れても 】

吉田松陰がまだ少年だったころのエピソードをひすいこたろうさんの著書よりご紹介させていただきます。


吉田松陰がまだ17歳の少年だったころ
家庭教師林真人先生のご自宅に住みこみで学んでいたときに事件は起きました。

松陰少年が寝ていたときのこと、ふと目が覚めて雨戸のすきまを見ると真っ赤なんです。燃えている!火事でした。

松陰少年は飛び起き寝巻きのまま家のものを外へ持ち出し、運んではまた家に飛びこみ、できるだけ家のものを外へ運び出しました。

しかし松陰少年はこのとき致命的なミスを犯しました。運び出すのを忘れてしまったのです。
武士にとって、魂といえる「自分の刀」を・・・・・
林先生は松陰少年を叱ります。
「なんという不心得だ!刀は武士の魂である!」
と、武士にとって何があっても忘れてはいけない刀を忘れてしまったんです。

しかも松陰少年が忘れたのは刀だけではありませんでした。
自分の服も、自分の勉強道具も、自分の持ちものは何もかもすべて忘れていたんです。

松陰少年が燃えさかる家から命がけで持ち出したのは、すべて林先生のものばかりでした。


自分にとっても、武士にとっても、「魂」というほどの大事な刀は忘れても、うけた「恩」は忘れない!
だから自分のものは一切運ばず、林先生のものだけをせっせと運んだのでしょう。

ゲーテは言いました。
「忘恩はつねに一種の弱さである。わたしは有能な人たちが恩知らずであった例を知らない」

またキケロはこう言います。
「恩を受けた人はその恩を心に留めておかなければならない。
しかし、恩を与えた人はそれを覚えているべきではない」


(><)
私が恩返しをしたい人それは、高校、大学時代、スポーツを通して私を鍛えてくれた監督さん。人生のあり方、生き方を教えてくれた会社の先輩、そして母親。しかしまだまだ恩返しできていない。

今この年齢になり、未来よりも終わりの時間が短いと感じることがある。考えることも多い。
そんなときに頭に浮かぶキーワードは、
『愛』『命』『縁』『恩』
残された時間は、このキーワードを大切に生きていこうと思っています。

ki銀次郎

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