2014年4月4日金曜日

オーガスタ・ナショナル(アーメン・コーナー)

アーメン・コーナー (Amen Corner

オーガスタ・ナショナル (Augusta National Golf Club) の 
11番、12番、13番ホールが
アーメン・コーナー (Amen Corner - 英語の発音は エイメン・コーナー)、

より正確に言えば 11番ホールの後半 (ドッグレッグのコーナー) から 13番ホールの前半 (ドッグレッグのコーナー) までが アーメン・コーナーである。
11 - White Dogwood (Par 4)
12 - Golden Bell (Par 3)
13 - Rae's Creek (Par 5)

  
11番 Par4505ヤード)White Dogwood(白ハナミズキ)
右ドッグレッグのパーである。

打ち下ろしとなる グリーンへのセコンド・ショットは 左の池と 
右のバンカーにプロテクトされている。1987年 マスターズのプレーオフで、

ラリー・マイズが バンカー越えのピッチ・ショットでホール・アウトし、グレッグ・ノーマンを破ったシーンは この 11番ホールでの出来事だ。



12番 Par3155ヤード)Golden Bell(レンギョウ)

12番ホールは 9番アイアンから 長くとも6番アイアンまでのショットになるのが 普通の距離の短い (155 Yards) パー 3 だ。

ホーガン・ブリッジで有名な 池越えのこのホールは , 風の影響を 計算するのが難しいホールで、ショートして バンカーの左右に外れたボールは

 池のようになった Rae's Creek に転がり落ちるし、オーバーしてバンカーに入れれば 左下がりのライから 少し大きければ池までボールが転がってしまい兼ねない難しいバンカーショットになると言う厄介なホールである。


12H 155Y Par
「挑戦者を悩ます見えない風」
池とバンカーが絡む美しいPar3で、155ヤードと距離は短い。
オーガスタのコース内で一番低い位置にあるホールで、風が巻くことで有名。
そのため、ティグラウンドで感じる風とグリーン上の風向きが違う場合も多く、風の読みが難しい。
(タケ小山)



13番 Par5510ヤード)Azalea(ツツジ)
フックボールのティーショットで フェアウェイを捕らえれば グリーン手前のクリーク (Rae's Creek) 越えのセカンド・ショットでイーグルを狙うことも出来る 短い 左ドッグレッグ・パー 5 13番ホール (Azalea) である。

このホールの左側には グリーンの手前を横切る 細いクリークが流れているが、その周りには 美しいアゼリア (1600本) の花が咲き乱れ、そのホールの名前の由来になっている。


13H 510Y Par
「イーグルも狙えるがミスはダブルボギーに」 
現在のPGAツアーのパー5としては距離が短く、スコアを伸ばせるホール
とくにミケルソンが最も得意としており、過去4年で4つのイーグルと8つのバーディを奪い、パー5ながら平均4.0と、驚異的なスコアを叩き出している。
(タケ小山)








これらの 3ホールは コースの丘になった高台にあり 風が強いことが多く スコアを伸ばせる選手とスコアを崩してしまう選手の明暗が分かれる所でもある。

1958年 マスターズ最終日の 12番ホールで ピッチ・マークにボールが くい込んだ時のルールに係わる もめ事があった。

アーノルド・パーマーが 猛追を見せて その日のリーダーだった ケン・ベンチュリー (Ken Venturi) を破って優勝した時の記事 (下記英文、及び、その下の要約を参照) を 書いたスポーツ・イラストレイテッド誌 (Sports Illustrated) の記者ハーバート・ウィンド (Herbert Warren Wind) が その記述にアーメン・コーナー (Armen Corner) という言葉を初めて使ったのだが、それ以来、この言葉が広く使われるようになったのである。





ハーバート・ウィンドは ゲームの行方の鍵を握るコーナー (場所) というニュアンスのある野球のホット・コーナー (hot corner) やバスケットボール、フットボール用語のコフィン・コーナー (coffin corner) のような言葉を考えたが その時に思いついた言葉が Amen Corner だったそうだ。当時知られていたジャズのナンバーに Shoutin' in that Amen Corner という曲があったが (昔、聖書の製本所が 沢山あった マンハッタンの一角が Amen Corner と呼ばれていたそうで、ジャズの曲名は その辺りから来ているそうだ) その言葉が浮かんだと言う。 



つまり、12番のショートホール、ゴールデン・ベルで パーマーの打ったティー・ショットが グリーン奥のラフで ピッチ・マークにくい込んでいたが (» ルール詳細) 現場に居た競技委員は 救済を認めなかったため、パーマーはそのボールを そのままプレーし ダブル・ボギーとなった。しかし、納得が行かなかったパーマーは 救済が受けられるはずだと主張し、2つ目のボールをプレーして パーをセーブ。そして、そのクレームが 後になって 認められ 優勝することが出来たというエピソードである。なお、この日は 雨の後で ローカル・ルールが設定され、スルー ザ グリーンで 自分のピッチ・マークにくい込んだボールは 救済を受けることが出来たのである。


一方、このプレーに対して ケン・ベンチュリーは異議を唱えており、パーマーが2つ目のボールをプレーするのであれば 最初のボールをプレーする前に その宣言をしなければ 2つ目のボールのスコアは認められるべきではないとのクレーム (正論) を付けたが、パーマーの優勝は正式のものになった訳だ。ケン・ベンチュリーの主張は 宣言をせずにボールを打った時に、そのショットが好ましい結果であれば パーマーはクレームをしなかったはずだから、2つ目のボールを打つ宣言をせずに 後になってクレームすることは出来ないと言う論拠で 理に適っている。


現場に居た競技委員の不適切な対応で起きた事件であるが、競技委員も ゴルフのルールも 完全ではないから、クレームする時の論拠やタイミングが如何に重要か ということを考えさせられる逸話でもある。





 アーメンコーナーの由来は、
「難しいから叩かないように神に祈る」からではなく、
「どちらに転ぶか、勝利の女神が微笑むことを祈る」ことにあるんです。
つまり、実はスコアを伸ばすチャンスホールでもあるということ。


 実際に、ミケルソンが勝った2010年には、この3ホールで4日間で7つスコアを伸ばしていますし、その他多くのチャンピオンが、サンデーバックナインで好スコアを出しています。

 ただし11番は、その前の10番と並んでオーガスタの最難関。距離も長くて難しいですから、ここをそつなく乗り切って、その後の12~15番でどれだけスコアを伸ばせるかが、勝負の分かれ目になると思います。とくに、13番や15番は、平均スコアがパー以下のパー5。
この2ホールで4アンダーもあり得る注目ホールですよ。



“アーメン・コーナー”
11番ホールから13番ホールは「アーメン・コーナー」と呼ばれ神に祈らなければ無事に通れないと言われるほど難しい。

1978のマスターズでは中島常幸13番ロングホールで13打も叩いてしまったことで日本でも有名になった。なお13打という数字は、
13番ホールでは現在も最多記録であり、マスターズ全体でも198012番ホールで13打を叩いたトム・ワイスコフ1973全英オープン優勝者)と並び最多タイ記録である。




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