2015年4月30日木曜日

井上誠一のコース設計論と攻略ルート

――コース設計の心得――

私は日本の美しい自然の中でのゴルフ場設計の仕事に誇りを持っている。
この一生涯の仕事が安易な妥協で無になってしまう。


「井上のコースはこの程度か・・・・・。」と言われる。
そう評価されない為にも自分自身で常に納得のゆく仕事を厳選してきた。
井上誠一




第4章 ゴルフコースの戦略要素

~戦略的な意味を持つラフ、林~


ラフ、林、森等について、これはこれだけで立派に戦略性を持っている。仮に森林地帯を切り開いて400ヤード程度の一つのホールを造ることを考えてみよう。



バンカーや池をまったく配さないでも十分に戦略性を持たせることができる。
230ヤード辺りの左に林の突き出たものを残し、グリーン右手前にも林を残しておく。



ただこの単純なことだけで、このホールを攻めるルートは一つに制約されているわけだ(図2)。





第一打で右に打ち出した場合、二打でグリーンを狙うには、グリーン右手前に残した林(ピンク色の部分)が効いて、直接グリーンを狙えず、かといって左に打ちすぎると230ヤード辺りの林(黄色の部分)に突っ込むことになる。



第一打での狙いは左230ヤード辺りの林のサイドのということになるわけだ。
これにラフを絡ませた場合、一見、バンカーもなく池もないので簡単そうに見えるが、グリーン右前の林でグリーンの入口を制約し、フェアウェイ左230ヤードに出ている林は、サイドバンカーの役割を果たしているわけだ。



林の中に打ち込んだら、林の密集の度合いにもよるが、バンカーに入れるよりもはるかにやっかいなことになる。



これらの戦略要素は、その性格もその場所によってさまざまに変化し、味わいも違ってくる。
井上誠一


(><)
距離も少な目でグリーンのピンフラッグも見えるホールで大叩きした経験は、ゴルフをしている人ならば誰でも経験していると思います。



ここに書かれていたことを読んで“なるほど”と思った方も少なくないでしょう。


大叩きしないためには、ただ何となく230ヤード付近でフェアウェイの1番広い場所へ打てばいいとは思っていたが・・・・・



こんなホールでParをキープできたとき、ここで書かれている理論を知っていてとったParと知らないとったParとでは、知っていてとったParほど味わい深いものはないだろう。
同じゴルフをするなら、味わい深い方を選択したいものです。

ki銀次郎

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