2015年5月12日火曜日

ジョーダン・スピース(スーパーヒーロー列伝)


マスターズに完全優勝したジョーダン・スピースも余韻は冷めやらない。
「次は世界ランク1位を狙う!」と現在1位のローリー・マキロイ(26歳)に堂々と宣戦布告するなど、次の目標に全力で立ち向かう。



ジョーダン・スピースはマスターズに勝つため綿密な準備を進めていた。
実践徹底の日程調整だ。コーチのキャメロン・マコーミック、キャディのマイケル・グレラーと話し合いマスターズですべてがピークになるよう調整に余念がなかった。




ジョーダン・スピースは試合出場の日程で勝負に出た。2試合連戦し3戦目にマスターズに挑むスケジュールを組んだ。
多くのトッププロはメジャー前週は欠場し休養、攻略に特化した集中練習に充てることが多い。


ジョーダン・スピースの日程は対極だった。
マスターズ直前の2試合が彼の地元テキサス州開催で是が非でもプレーしたいという熱意も後押しした。
選手の常識をくつがえすハードな日程調整が絶大な効果だった。


直前の試合3試合で優勝、2位、プレーオフでの2位と続き、絶好調の状態でマスターズへ突入できたのだ。
実はマスターズで2位と復調をアピールしたフィル・ミケルソン(44歳)もマスターズが3連戦目。彼らの躍動で実践による調整の方が良いのでは?と一石を投じた。


ジョーダン・スピースは21歳ながら年齢以上に成熟している。
シャッター音に邪魔されてミスショットしても人のせいにしない。
どんなに忙しくても不平をいわない。
プレー条件が悪くても絶対に文句は言わない。
疲れていても記者会見に応じ、きちんと質問に答え、思いを率直に話す。



ここまで礼儀正しくスマートな立ち居振る舞いをする選手は数少ない。



プレーに入ると大変身!
絶叫マシンに豹変するのだ。


優勝したマスターズでも打球に向かって雄叫びの連続!
7番でティショットが右に行くと
Fore right(右に気をつけて)、
12番パー3のティショットを打ち終わった時には
DownSit Down(早く落ちろ、止まれ)
と吠えていた。
すると打球は彼の思いが通じたかのようにグリーン左奥にピタリと止まった。


13番の2打目では
Go Hard!」(強く行け)
を3回繰り返し、最後にダメ押しの
Go!」
で打球は手前のクリークをギリギリ越えてイーグルチャンスに。



14番2打目では
Be enoughjust be  enough!」(丁度が良いはず、絶対に!)
と叫びバーディチャンス。
15番パー5で2オンを狙った際には
Be goodGotta be good(寄れ!)
彼は祈るように打球を見守りオーバーすると
come on!」(何だよ!)
ともう一声。



時にはボールを自分の分身のように思い
「ジョーダン、頼むから右に!」
と語りかけるなど、溢れる情熱とセリフの数々。
激情&劇場型ゴルフなのだ。



興奮し絶叫する姿を見ていると一打ごとに気持ちが揺らぐ安定感のない選手に思えるが、ミスをしても怒ることなく、キレても不思議ではない場面でもクラブを投げつけたり、地面を叩くこともない。



プレーのマナーも抜群でナイスショットした相手には惜しみなく賛辞をおくるスポーツマンシップも心得ている。

(BUZZ GOLF Vol.44より)

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