2014年2月6日木曜日

ゴルフを以って人を観ん

緑にお遍路さんたち
ゆめ、ご油断召されるな。
芝の上のあなたは、裸なのですぞ!

(夏坂健)

“ゴルフ騎士道とは何か”(28p

さて、いい師匠、よき先輩と巡り会えるかどうか、
ゴルファーの質はこの一点によって決まる。


初期の段階で薫陶(くんとう)を得た人に限って「本物」の匂いが身につくのである。


その具体的な例として、1969年の全米アマで優勝したスティーブン・メルニック選手がいる。
彼は、全米アマの常連で叔父のジョー・ブレナンにゴルフの精神を叩き込まれた。


「いくら強くても尊敬されない人がいる。簡単に言うと、ショットだけの勉強では駄目だ。人間として尊敬された上でのゴルファーでなければいけない」


叔父のジョー・ブレナンは、歩行から彼を教育した。
特にグリーン上ではスパイクを高く上げて歩き、間違っても捻転的動作で芝を傷めないこと。バンカーは最も低い場所から入って、後ずさりしながら均すこと。
素振りでは草1本痛めないこと、ディボット跡、ピッチマークなどは心を込めて丁寧に直すこと。


さらにコース内での物音は意外によく聞こえるもの。
他のプレーヤーの邪魔にならぬよう、大声蛮語は厳に慎むこと。
自分のゲームばかりに熱中せず、まず相手にも楽しませてあげる気配りも忘れないこと。


わかったかね、ゴルフでは打ち方よりも先に学ぶことがたくさんあるのだ。


人が構えたら動かない、視野に入らない。
こうした初歩的マナーさえ知らず、ボールを上手く打つことだけがゴルフだと誤解する人が多すぎる。


これらを学んだメルニック選手はアマ大会で26連勝の快挙を達成する。
彼は優勝コメントで次のように述べている。
「それもこれも、最高の師匠がいたお陰です。もしも野放し状態でゴルフを覚えたとしたら、私は鼻持ちならないゴルファーになっていたでしょう」


ゴルフでは多岐にわたる知識が要求されるため、よき先輩の指導が絶対に必要なのである。
もし最初の指導者が三流の人物だった場合、これはもう悲劇としかいいようがない。
(夏坂健)

(>_<)
薫陶(〔香をたいてかおりをしみこませ、土をこねて形を整え陶器を作り上げる意から〕人徳、品位などで人を感化し、よい方に導くこと)

縁あってゴルフをやっているのであれば、本物の匂いがするゴルファーを目指したいですよね。
ki銀次郎

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