2013年8月29日木曜日

ゴルファーは、開眼、閉眼、また開眼

(レッスンより効く賢者の一言)
“ナイスショットは偶然の産物、バッドショットはいい運動”

スポーツ研究に造詣の深いルネ・マヒューという文化人類学者は
「真のスポーツマンといえるのは、アマチュアだけである」
と書いています。

偉大なるアマチュアは、万人が認めるボビー・ジョーンズ。
プロの豪傑たちが高額の小切手を掴み取り競争する場でひとりアマチュアを通し

「ゴルフはパーおじさんとのゲームなり」

と悟ってグランドスラムを達成して、28歳にして競技ゴルフから未練なく引退、本業の弁護士生活に入りました。


ある新聞に連載していた原稿を後の信奉者が一書にした
『ボビー・ジョーンズ ゴルフの神髄』に「ゴルフの楽しみの神髄」の章がり、そこで


「ナイスショットはまったくの偶然の産物であり、バッド・ショットはいい運動であるということがわかって初めて、われわれはゴルフをマスターしたと言えるのだ」

という友人の言葉に感心しています。これまた溜飲が下がる良薬です。



ゴルフはヘタな人ほどたくさん歩いていい運動に恵まれ、
喉が渇いてビールの至福に恵まれ、快食、快眠を家に持ち帰ることができるからです。



ところがゴルフには魔女が棲みついていて、ゴルフに手を染めた多くの人間にときどき思いがけない贈り物をします。



平生より20ヤードもドライバーが飛んだり、
アイアンがピタリとピンに寄ったり、
15ヤードものロングパットがカップをカランと鳴らしたり・・・・・



そして魔女は耳元に熱い息を吹きかけながら囁くのです。

「ホラ分かったでしょ。あなたは本当はうまいゴルファーなのよ。飛ぶのよ。パッティング巧者で、もっと人よりいいスコアで上がれる天性があるのよ。気づかなくちゃいけないわ」

これを「マグレ」という最高の産物だと分かる賢人はいいのですが、魔女にくすぐられた人はたいへん。



レッスン書の懲りないタイトルや新製品クラブの甘いコピーに手招きされて、暗い森に分け入り、おデコにコブをこしらえたり、光明の出口をみつけたと思っては足を滑らせたり、魔女の思う壺です。



ボビー・ジョーンズの友人は「バッドショットはいい運動」と言っていますが、もちろん米国人一流のウイット。



バッドショットもまた人の意思を超えた偶然の産物なのですよね。
わざとミスしようと思ってミスショットするゴルファーはいません。



同書でボビー・ジョーンズは友人の名句に、
「これは、コースに携えていくには、なんとすばらしい哲学ではないか!」

と添えています。

この1句は15本目の有用なクラブだというわけです。

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