2013年5月29日水曜日

“王国のゴルフ”(マイケル・マーフィー著)

『スコットランドのフォース湾とテイ湾の中間部にファイフ王国がある。この土地を愛する人たちのあいだでは、ただ「王国」というだけで通じる。今なお私の脳裏に鮮明に焼きついているゴルフ場が広がっている。あの茫漠たるヒースのつらなりと草におおわれた砂丘を舞台に現実離れのした出来事が生起し、それが結実して本書となった』という内容で書き出している。

オイゲン・へリゲル著の『弓と禅』と並び、『王国のゴルフ』は知る人ぞ知る名著として名高いらしい。
訳者は山本光伸さんという人物だが、北海道に在住していて、石狩平野の山中の喫茶店で出会った、大学を卒業してプロゴルファーを目指している男性にきくと、この本は座右の書であったそうです

オイゲン・へリゲル著の『弓と禅』と並び称せられている本書は、当然ながら「100を切るためのテクニック」式HOW TO本ではなく、

ゴルフは人生(哲学)である、と喝破する著者の姿勢は、まさにゴルフの神髄を衝いていると思われる。
映画『バガー・ヴァンス』に登場したウィル・スミス演じるところの伝説のゴルフコーチは、本書の主人公シーヴァス・アイアンズをモデルにしたものではないか――と私は勝手に推測している。(訳者)

「ゴルフのグリップは人生のグリップ(把握の仕方―つまり生き方)だ」というバガー・ヴァンスの言葉は、
シーヴァス・アイアンズの言葉そのものだと言ってよい。
あのようなコーチに巡り会えたゴルファーは幸せである。

そして、シーヴァス・アイアンズを〈我がもの〉とできたゴルファーにはもはや恐れるものがない。

「ゴルフボールと一体化せよ」
「内なる目をボールから離すな」
「一生懸命にやりすぎると、ゴルフは確実に駄目になる」
「穴を埋めるという行為は、本質的に自己犠牲の行為であり、そこからの復活である」

このような言葉から、我々はいったい何を学ぶだろう。
その学び方いかんによって、
各人のゴルフの質と技術が定まり、
ひいてはその人の「生き方」そのものが
透けて見えてくるだろう。
(山本光伸)

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