2015年2月25日水曜日

小山田雅人のいろんなカラダ、いろんなスイング

~ないものを嘆くより、あるものに感謝しよう~

最初は野球、小学校5年からサッカーを始め、栃木県の県北代表に選ばれ、中学・高校の野球部ではレギュラー、ゴルフもプロを目指したときにはハンデキャップ0のトップアマになっていました。



こういう私のスポーツ歴を聞いて、
「もしも右手があったら、どんなにすごい選手になっていただろう」
という人がいます。



しかし、自分自身はそう思ったことはありません。
右手がないからこそ、普通の人に負けまいと、人一倍努力してきた面があるからです。



ずっと大切にしている言葉があります。
「ないものを嘆くより、あるものに感謝しよう」
です。



私は右手の手首から先を失いましたが、ヒジも上腕も残っています。
野球でボールを素早く捕って投げることができるようになったのです。
残された腕を工夫して使うことによって克服できたと思います。



脳についても同じです。
2005年に発症した脳腫瘍の手術で、私は左側頭葉の7割ほどを失いました。



手術後は食欲がなくなり、体重が20kgも減りました。
元のクラブは重くて振れません。
軽いクラブに替えましたが、ドライバーで200ヤードしか飛びません。



         (週刊パーゴルフ 3月10日号より)

このときも
「ないものを嘆くより、あるものに感謝しよう」
この言葉が励みになりました。



「自分には右側頭葉と、3割の左側頭葉が残っている。残された脳を使って、手術前の体に戻ればいいじゃないか」
と。



妻が体力回復のために、野球の素振り用のバットをプレゼントしてくれたので、それを振ることを日課にしました。



10回振ってワンセット、毎日3セットから5セットを3年間振り続けました。
すると、体力も飛距離も、ちゃんと元に戻ったのです。



「失った機能を数えるな。残った機能を最大限生かせ」



“パラリンピック”の父と呼ばれるドイツの神経外科医、
ルードウィッヒ・グッドマン博士の言葉です。



人生の中で人が失うものは、運動機能だけではない。
事情があって片親を失った小さい子にも、私は表題の言葉を送りたいと思います。



残った親は、両方のぶんのことを一生懸命してくれている。
そういう親の思いを、分かってほしいと思うのです。


小山田雅人
(1967年5月24日生まれ。栃木県出身。2歳のときに事故で右手を切断。高校卒業後にゴルフを始め、トップアマとして活躍。2005年には米国切断障害者ゴルフ協会主催の大会に出場し、前腕切断の部で優勝。12年のティーチングプロB級を受講し、14年1月1日付けで日本プロゴルフ協会に入会した。)

(><)
人生で失うものは数多くあります。
持ち物をなくしたり、やる気をなくしたり、健康を失ったり、
仕事を失ったり、友人を亡くしたり、家族を亡くしたり。



気弱になりながらも、それでも生きていかなければならない。
そんなとき何をたよりにすればいいのだろうか?



頼りになるのはやっぱり自分。
「ないものを嘆くより、あるものに感謝しよう」
辛いときには、この言葉と小山田さんのことを思い出して頑張ろうと思います。

ki銀次郎

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