サー・マイケル・ボナラック
ゴルフ本来の姿を楽しむためには、マナーと礼儀をわきまえることが大切。
夏坂健
ゴルフは自分の性格が最悪の形で露呈されるゲームだけに、
まず求められるのが礼儀作法の数々。
気づかないうちに困ったプレーヤーになっていませんか?
これがゴルフマナーの世界基準です。
第4章 前日・当日
到着時間の計算
◆1時間以上前に着くように出発
コース側のメッセージによく「スタート時間の30分前までにご来場ください」とある。
そのため、コースにはスタート時間の「30分前に着けばよい」と解釈する人が多いが、その解釈は正しくない。
「30分前までに」はコース側からのお願いとお断りなのである。
「遅くともスタート時間の30分前までには到着してください」よいうお願いと、「これより遅れた場合は予定の時間にスタートできなくなることがあります。」というお断りである。
けっして「スタート時間の30分前の到着で十分」なのではない。
メンバーが馴れたホームコースへのんびりと電車とクラブバスで行く、そういう場合はその人なりのペースでよい。
わが国の(とくに首都圏での)交通事情の中で、クルマで行く人、ビジターとしていく人、コンペに参加する人、まだまだうまくない人などの場合は、遅くとも1時間前にはコースに到着するように家を出るべきである。
ほんとうは1時間から1時間30分ぐらい前に到着する予定で家を出るのが望ましい。
その理由は以下列記するように数多い。
◆なぜ1時間以上前到着が望ましいか
①スタート前のウォーミングアップのため。スポーツする人の体は生理学上、少なくとも40~50分間のウォーミングアップが必要と言われている。
コースに着いてから、クルマを駐車場に置き、フロントで手続きをし、着替えたり、トイレに入ったり、仲間と談笑する時間を10~20分間とみて、ウォーミングアップの時間を足すと1時間となる。
②予期しない渋滞に引っかかることを考慮して、さらに15~30分の予備時間をみて家を出ると万全である。ハイウェイで事故渋滞に引っかかったり、現地の一般道でマイカー出勤の時間帯に出合ったりすると、10分や20分はあっという間に経過する。
30分前到着ではコース側がたいへん!
③30分前到着ではコースの人たちがスタートの準備にたいへんせわしい仕事を余儀なくされる。
その結果、静かであるべきカントリークラブの雰囲気を壊してしまう。
プレーヤーが到着してからスタートするまでの、標準的な段取りと時間を計算してみると、次のようになる。
プレーがクラブハウスの玄関に到着し、バッグを下ろし、駐車場に止めて戻ってくるのに3分。
フロントヘ行き、列に並び、サインをしてチェックインするのに2分。
これでようやく来場が確認され、フロントからキャディマスター室に伝票が回る、あるいはメンバーが持っていったり、コンピュータに打ち込まれたりして、スタート予定氏名と予定時間とが確認されるのに1分。6分経過。
ここからキャディの仕事が始る。
キャディが呼び出され、伝票を手渡され、①バッグ置き場に回されてきたバッグを探し出し、②フードを開け、③カートに積み、この①②③をあと3人分④⑤⑥、⑦⑧⑨、⑩⑪⑫と行う。
そして⑬4バッグをベルトで締め、⑭パターをパターホルダーに入れ、⑮空模様によってはビニールカバーで覆い、⑯傘を積んで、さらに⑰3人のタオル、セーター、飲み物などを配置し、スターティングホールへ向かう。
これらの作業に15分かかるとしよう。
① から⑰までの作業を、手慣れたキャディなら15分間でやってできないことではない。実際、スタート30分前に飛び込む人のためにキャディたちはやっている。
やってはいるが、その様子が問題である。バッグ置場は騒がしくなり、マスター室の声が大きくなる。キャディたちの声も荒っぽくなり、すれ違ったりすぐそばに立つ客との挨拶がなくなる。
せわしく、騒々しくなり、カントリークラブの価値のひとつである静けさを壊すことになる。
クラブハウスのバッグ置き場からティインググラウンドまでの移動が1分。これで22分経過。スタート予定時刻の8分前である。
前の組がティオフしていったら、すみやかにオナーを決め、オナーがティアップし、ティに立ち、この組のプレーの用意OKを意思表示するのがスターティングホールでの作法である。
これをするためには、前の組のティショットの前までに、クラブ本数の確認手続きや小物の用意など、キャディと4人のスタート前のいろいろな仕事をすませておかなければならない。
前の組がティショットするときは物音をたてたり、声を出したりしてはいけないからである。
ふつうスタートは6分か7分刻みである。したがって、スタート予定時刻の8分前にキャディがティインググラウンドの近くに到着していてちょうどよいわけである。
以上がスタート30分前到着の場合の計算である。ぎりぎりである。
コースには早く出掛けて早すぎるということはない。
鈴木康之
(><)
私はこの本「ピーターたちのゴルフマナー」を読めて本当に良かったと改めて強く思いました。
ゴルフ場への自分勝手な遅刻が、「カントリークラブの価値のひとつである静けさを壊す」この言葉を知ったことは、ゴルフをする私にとってかけがえのない財産になりました。
私は「ゴルフプレーヤー」と呼ばれるにふさわしい人間になりたいといつも思っています。
私はゴルフ場へ1時間前到着を身上としているので、未だかつて1度も遅刻したことはありませんが、今日改めてその気持ちが更に強くなりました。
ki銀次郎
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