“中部銀次郎の第一打”

プロも憧れた伝説のアマチュアゴルファーは、

こうして強くなった！（中部銀次郎）

“ティインググラウンドに上がったら”

上級者を目指すなら、たとえ６インチプレースが許されているコースでも、ノータッチプレーを貫くべしーというのが中部銀次郎の教えである。

なぜならそれが「ゴルフの本質」だからである。

タマを動かす癖をつけると、どんないいライでも不安が忍び寄り、繰り返しタマを動かしたくなり、挙句に心が乱れてスコアを崩してしまうからでもある。

唯一例外的に自分の打ちたい場所が選べるエリアがティインググラウンドである。

しかし多くのゴルファーは驚くほど無頓着だと中部銀次郎は残念がる。

例えばスライスに悩んでいるにも関わらず、出べそギリギリにティアップしている人がいる。

本人は１ヤードでも距離を得している気分かもしれないが、ティインググラウンドの前方というのは、えてして下がっていることが多いもの。

アドレスすると左足下がりになり、わざわざスライスしやすい状態を作っているというわけである。

案の定、大スライスを放って首をかしげ、挙句の果てにスウィングやグリップをいじりだす。

ほんのちょっとティアップの場所に気をつければ解決できる問題を、どんどん複雑にしてしまう。

ティインググラウンドに上がったら、ボールも平らなら足場も平ら、そんなライを見つけ出すのが、まず一番大切な仕事。

ティインググラウンドでは、選べる限りいいライを選び、セカンドショットからは一切ボールを動かさない。

それが上達への道であり、仲間に敬愛されるゴルファーの振る舞いなのである。

中部銀次郎