“無意識で身につくものが「本能力」、意識して身につけるのは「向上力」”
子どものころからクラブを握っていれば、何も思わず、何も考えず、ただ球さえ打っていれば身につくものもある。
だが大人になってからでは努力しても得られない。そういうものがあった。その最もたるものが「本能力」であった。
塾生たちを教えて、そのことに気づいた。
古閑美保にしても上田桃子にしても、強くなっていく人間は、何も考えないで球を打っている。
それは、考えが足りないという「弱さ」ではない。
何も考えないで打てるという「強さ」であった。
例えば2発、3発OBを打ったとする。
普通ならクラブを替えようとか、狙いどころを変えようとかするだろう。
ところが本能力のある人間は、己を貫き、クラブも狙いどころも変えずに次を打ってくる。
そして、打ち直しの球がうまくいったら納得し満足する。
これこそが闘いの基本姿勢であり、それを誰に教えられずともできる力が「本能力」なのであります。
2発、3発の連続OBはすでに過去の話。
過去は振り返らず、今とこれから先だけを向いていた。
反省はしても悔いは残さず。原因は大切にしても言い訳は一切せず。
それが強くなっていった者のゴルフだった。
無意識で覚える「本能力」に対して、後から意識して覚えられるのは「向上力」だ。
自分の選択、ショットに納得し、悔やまず、嘆かず、ムリしてでも常に次のショットのことだけを考える。
それが、「本能力」を持ち得ぬ者が己のゴルフを高めていく唯一の生き様ではないかと思うのです。
坂田信弘(7月30日号 週間Par golf)
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